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女性差別を生む社会の改革へ-森前会長発言で福島党首らがオンライン討論-

カテゴリー:社会新報 投稿日:2021-02-19

(社会新報2021年2月24日号1面より)

2月3日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(12日辞任)がJOCの臨時評議会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言した。この発言を受け、社民党の福島みずほ党首は同5日に動画配信「今夜もフェミテレビ」の緊急企画を開催。9人がオンラインで語り合った。
福島党首の他の参加者は次の通り。▽石川優実さん(グラビア女優、#KuToo発起人)▽大椿ゆうこさん(社民党全国連合常任幹事、労働・女性・多様性政策委員長)▽北原みのりさん(作家)▽菱山南帆子さん(市民運動家)▽笛美さん(「#検察庁法改正案に抗議します」ツイート発起人)▽みたらし加奈さん(臨床心理士)▽福田和子さん(なんでないのプロジェクト代表)▽伊藤和子さん(弁護士)。

福島みずほ社民党党首 森会長の発言に関して、何がおかしく、何が問題なのか、緊急に話したいと思います。いま思うことを話してくださいますか?
北原みのりさん 会議やいろんな場所で嘲笑されたり、黙れという圧を感じる体験は、多くの女の人が経験していると思う。昼間の会議で決まったことが、夜、男性たちが飲み屋に行き覆される。日本の女性は決定の場に立つこともできず、発言したら「うるさい」と言われる。その象徴的な発言だった。

世界中の恥さらしに

菱山南帆子さん 森さんの発言を周りも笑っていた。さすがジェンダーギャップ121位の国だと思った。でも世界中の恥さらしになり、こんな風潮を大転換するチャンスでもある。諦めずに声を上げたい。
福島 「わきまえている」女は都合のいい女。差別発言に笑うのも、差別を容認していること。おかしいと言えるようにしたい。
大椿ゆうこさん 言葉にしなくても実際に女性たちが思っていることはたくさんある。今回、多くの人たちがすぐ抗議の声を上げたことですごく希望が見えてきた。男の人たちの中にも「これは無いな」と思う人たちが現れてきている。
みたらし加奈さん 私自身は結構わきまえちゃっていた。だからこそフェミニズムを知って目の覚め方が衝撃的で、「なぜ私、これをずっと強いられてきたんだろう」と自分の中でアップデートしたが、痛みを伴った。特権階級にいる森さんがアップデートするのは大変かもしれないが、そもそもそういう人がトップにいることが問題だ。

1日で8万人が署名

福田和子さん トップにこんな発言をした人が居続けるのを許す体制をどう変えるか。具体的に示さないと、同じことが繰り返される。希望やチャンスにできるかは、私たちがどれだけ声を上げるかにかかっている。森会長の処遇の検討を求める署名を始め、まだ1日なのに8万人以上の人が署名をしてくださって、やはり社会は変わっているんだと思った。
福島 女性が発言しようとすると笑ったり、弾圧されたりして、発言しにくいという経験をしている女性は多いのでは?
大椿 福島さんが国会の場で、それを一番経験しているのではないか。
笛美さん 森さんの発言はとんでもないミソジニーだが、内部の人は「あの人がいるからあちこちに話が通る」と思っている。私も会議で話すと冷たい反応をする男の人がいたりした。今回、大勢がおかしいと言ったことが希望。絶望と希望を同時に見ている感じ。
石川優実さん これまで森さんに「全然的を射ない女」と判断された優秀な女性たちがたくさんいるんだろうなと思うと悔しい。男性からも署名活動が出てきたので、やっと男性も女の問題じゃなくて男性たちの問題だと気づき始めたのかなと思う。

家父長制で築かれた

大椿 3・11から間もない13年に決まったときから、東京五輪は男の理屈で動いていた。最優先するべき「命と暮らし」が見えず、いかに国を高揚させ、お金をもうけるかに視点があった。それが象徴的な形で森さんの発言に表れたと思う。今、立ち止まって考える時ではないか。
北原 その通りだと思う。家父長制が築いたのは、男同士でかばいあい、権力と金で動く社会。物事が根回しで進み、女が話すと「うるさいおばさんがひがんで言っている」と言葉そのものがわい小化されてきた。苦しんでいる人の声を聞くのがフェミニズムの思想。それがないところで日本が動いていると突きつけられた。
菱山 私も実際、自分の講演でしゃべっているのに、高齢の男性に「あんた女のくせにしゃべりすぎなんだよ」って言われた。演説の時、「怒らないで笑顔で」と言われるけど、なぜ女性だけそう言われるのか。今回をきっかけに反省してほしい。

北京会議から25年も

福田 私は今、スウェーデンにいるが、男女にかかわらず、家族の時間を過ごすため、本当に飲み会とかが少ない。本来、男性も子どもがいたら飲み会に行けないはず。飲み会でなく会議の時間内に決めないと、多様性の保たれた議論はできない。
伊藤和子さん 私が福島さんに最初にお会いした1995年の北京女性会議の時、男女共同参画はもう言われていた。25年経ってこのレベルかとがくぜんとする。セクシズム発言をした人が反省もしないまま居座れる社会を、25年間も許してきてしまった。今回はもう許してはいけない。
(文責は編集部)

元旦に生活困窮者の相談にあたる福島党首(右)と宇都宮健児弁護士(中央)。手前が相談する外国人女性。

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