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在日米軍のコロナ感染が拡大-基地フェンス内は陽性率10倍以上-

カテゴリー:地方自治 外交安保 社会新報 投稿日:2021-02-12

(社会新報2021年2月17日号1面より)

フェンスで囲まれた在日米軍基地。基地内では新型コロナウイルス感染が広がるばかりだが、毎週1回、国内米軍基地の感染状況が発表されるだけで、累積感染者数も、入国兵士の感染対策も、実態は不明のまま。横須賀基地などはコロナ感染者数が基地外の10倍以上となる中で、市民の不安が広がっている。(金子豊貴男・相模原市議)

神奈川知事に対策要請

神奈川平和運動センターや横須賀・厚木・横田基地など、米軍基地問題に取り組む6市民団体が2月2日、渉外知事会の会長を務める神奈川県知事宛てに緊急要請書を提出した。
現在、首都圏の米軍基地内ではコロナ感染陽性者数が急増し、基地の外の10倍以上という状況にある。放置すれば、さらなる感染者増にもつながりかねず、米軍基地を抱える自治体住民の不安は増大している。 
要請書では知事に対して、「米軍のコロナ関係の行動制限の警戒段階は、昨年春はABCDの4段階でCであったものが、現在はBのまま。米軍関係者は町なかで買物をしたり、飲食をしたりしている。昨年春と同様に、行動制限の警戒段階を速やかにCに上げるよう求めてほしい」「緊急事態宣言下においては、米軍基地関係者も原則として入国を禁止するよう求めてほしい」などと訴えている。
在日米軍司令部が1月28日分として発表した在日米軍全体の感染者数は259人。横須賀基地は99人。1月の累計で293人。感染者数の公表を始めた7月からの累計は585人(朝日新聞調べ)で、1月だけで半分を占める。横田基地でも状況は変わらず、横田基地被害をなくす会の調べでは連日感染が確認され、6月以降の累計感染者は181人に上っている。

最近入国者で感染拡大

現在、米軍関係者は成田や羽田などの民間空港を利用するか、あるいは横田、嘉手納など米軍基地を利用して入国している。米軍が発表する陽性者は、多くが新規に入国した軍人だ。米軍が基地ごとに発表する詳しい感染者情報では、いずれも最近、米国から入国した患者の割合が多い。
例えば、最近の米陸軍の報道資料には「1月21日から27日にかけて、在日米陸軍関係者7人が、新型コロナウイルス検査において陽性と確認されました。このうち1人は、在日米陸軍が課している新型コロナウイルス旅行前措置の一環として、検査を受けました。別の1人は、以前陽性が判明した者の濃厚接触者と確認されたため隔離されており、検査を受けました。残る5人は、日本到着時以来、行動制限下にありましたが、在日米陸軍が課している新型コロナウイルス行動制限措置の一環として、検査を受けました。全員、陽性者としての隔離に移りました。医療関係者が許可するまで隔離が続きます」とある。
つまり、7人の陽性者のうち、5人は最近入国したものと認めている。横須賀基地でも同様の報告が出されており、具体的にどんな行動制限がとられているのか、どう隔離されているのか、英国や南アフリカなど最新の変異型の検査はどうなっているのかなど、正確な情報と累積患者数が発表されないため、地元自治体では不安が高まっている。

厚木では新たな訓練も

さらに、新規の入国、艦船配備、訓練実施が続いている。横須賀基地では、2月4日、最新鋭の駆逐艦ラファエル・ペラルタ(DDG115)が入港し、配備された。これまで横須賀基地に配備されていた駆逐艦ジョンSマケインは近々本国に戻ると思われるが、この駆逐艦の要員のコロナ感染対策はどうなっているのか。
また、厚木基地では2月5日から9月30日まで、米陸軍が米本国から部隊を派遣して化学、生物、放射線、核(CBRN)の対応訓練を始めた。米側は訓練への参加部隊に関し、米本土所属とだけ説明.参加人員や日程については知らせていない。すでに横浜ノースドックに陸揚げされた50台余りの車両が、5日には厚木基地に移動。要員がどう運ばれ、コロナ対策をどうするのか注目されている。
米軍基地内ではすでにワクチン接種が始まったとされているが、米軍基地内のコロナ対策がきちんと発表されることで、地域が安心できる環境ができることが求められている。

2月4日、横須賀基地マスターピア・イーストに停泊する新鋭の駆逐艦ラファエル・ペラルタ