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【主張】菅政権の「政治とカネ」問題を徹底追及-河井案里参院議員の辞職-

カテゴリー:社会新報 投稿日:2021-02-12

(社会新報2021年2月17日号3面《主張》より)

河井案里参院議員がついに3日、辞職した。遅きに失したと言わざるを得ない。案里氏は2019年7月の参院選(広島選挙区)で自民党公認による初当選を果たしたが、同選挙をめぐる公職選挙法違反(買収)容疑で20年6月、夫で元法相の克行被告と共に逮捕され、今年1月、東京地裁で懲役1年4月、執行猶予5年の有罪判決を受けていた。控訴期限(今月4日)前日に控訴を断念、辞職した。買収を主導した克行被告も早く辞職すべきだ。
東京地裁の判決によると、案里議員は19年3~5月、克行被告と共謀し、集票依頼などの目的で地元議員4人に現金計160万円を供与した。広島県江田島市議への10万円供与に関しては無罪とした。
今回、議員辞職をしたからといって、大規模な選挙買収事件の幕を引くことは到底できない。買収を主導した克行被告も案里氏も国会で何一つ説明をしていない上に、1億5000万円もの巨額資金を案里氏陣営に流した自民党本部と当時の安倍首相と菅官房長官がどのように買収工作に関与したのかが、全く未解明だからだ。今国会で徹底究明が求められる。
この事件は、克行被告と案里氏が共謀の上、広島県内の首長や自民党地方議員ら100人にそれぞれ数万~数十万円、総額で2900万円余りの現金を配った。この2900万円の原資は、参院選直前に案里候補陣営に自民党本部から振り込まれた1億5000万円という巨額の選挙資金である。そのうち1億2000万円が政党交付金、つまり税金であったことが判明している。同じ広島選挙区で落選した自民党現職の溝手顕正元国家公安委員長への支給は1500万円であり、実にその10倍だ。
当時の安倍首相の後ろ盾も絶大だった。首相が現地入りしたほか、山口県から首相秘書4人が案里選挙事務所に入り、支援。まさに“安倍丸抱え”選挙だった。当時の菅官房長官も案里陣営に深く肩入れをした。
今年に入り、鶏卵生産会社アキタフーズの汚職事件で元農相が収賄罪で起訴され、緊急事態宣言下で与党幹部による銀座のクラブ通いが明るみになるなど、腐敗と堕落が続く。
案里氏辞職に伴う補選は衆院北海道2区、参院長野選挙区と同日の4月25日に実施され、菅政権に厳しい審判が下されるだろう。社民党など野党勢力は今国会で菅政権の「政治とカネ」問題を徹底追及する。