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コロナ禍の今こそ公助の出番-福島党首と自治体議員らがオンライン討論-

カテゴリー:地方自治 新型コロナウイルス 社会保障・税 社会新報 貧困・格差 投稿日:2021-02-05

(社会新報2021年2月10日号1面より)

阪神・淡路大震災から丸26年間が経った1月17日、「コロナ禍の今、必要な公助とは~年末年始の支援活動から考える」をテーマに、福島みずほ党首の司会進行でオンライン討論を行なった。参加者は、森英夫(党横浜市連合副代表)、森一敏(石川県金沢市議)、五十嵐やす子(東京都板橋区議)、伊地智恭子(東京都多摩市議)、ささき克己(衆院選神奈川15区予定候補)の皆さん。

住まいがない、仕事がない、お金もない

福島みずほ党首 年末年始、大久保公園や聖イグナチオ教会で生活相談をやった。コロナ禍の下、住まいがない、仕事がない、おカネもない、今こそ公助の出番だと痛感しました。今日は、それぞれの地域の活動で見えてきたことを出し合い、いま必要な公助とは何かを考えたい。

森英夫党横浜市連合副代表 横浜市中区の寿町で、看護師をやりながら医療と生活の相談を続けている。寿町はもともと日雇い労働者の街だったが、日雇い仕事の激減で、現在は生活の厳しい高齢者が多い。そこにコロナだ。ネットカフェから仕事に通っていたがコロナで失職。居場所を失い相談に来た人もいる。

森一敏金沢市議 「金沢夜回りの会」の活動に参加している。リーマンショックを機に社会福祉士の女性が始めた活動がスタートで、現在はかつての野宿の当事者を交えた幅広い市民有志が月2回の夜回りをしている。生活保護を望まない路上生活の人たちに、安否確認の他、食事や衣類などを提供している。長年の信頼関係をベースに、金沢市では野宿者にもコロナ対策の特別定額給付金をお渡しできた。
五十嵐やす子板橋区議 子どもは自分が育てているのに、特別定額給付金が離婚調停中の出て行った夫に渡ってしまう。そんな相談があった。さまざまな支援があっても必要なところに届いていない。マンションのローン返済に困っている人の問題では、コロナで返済猶予が適用される法改正があったのに、専門家にも知られていない現実があると分かった。高齢の親御さんが亡くなり、同居のお子さんが公営住宅を出なければならない問題も。その人は非正規で手取りが9万円。家を借りての生活はできない。でも生活保護は嫌という。生活保護は権利なんだと伝えていくことが大事だ。

自治体後援でコロナ困りごと相談会開催

伊地智恭子多摩市議 昨年4月から三多摩地域で「コロナ困りごと相談会」を開いている。府中緊急派遣村の人たちが始めた取り組みで、毎回、市の後援が得られている。多摩市では、生活困窮者自立支援の窓口のすぐ近くが会場となり、そこの職員さんもブースに入ってくれた。市内の大学や社会福祉協議会、市議会議員、弁護士や労働組合など専門家と市民の共助が盛り上がった。一方で、公助のやるべきことは山積みであり、公共、公助へのつながりが、これからの課題だ。

ささき克己衆院選神奈川15区予定候補 高校教員30年の中で気づいたのは、家庭の問題が集中的に生徒・子どもの負担となってのしかかっている現実。住まいのことでは、20年ほど前、受け持ちの生徒から「今日、帰る家がない」と訴えられたことがある。友だちの家を転々としていたが、もう行くところがないという。こうした体験上、いま住むところ、今日泊まるところを行政として提供する制度設計が欲しいと感じる。

福島 生活保護や困窮者支援の改善点はどうですか。

森一敏 社民党は、生活保護法を生活支援法に切り替えて人権保障の制度にブラッシュアップすべきと主張している。生活保護へのネガティブイメージは根強い。解消するには、どんな状況でも、その人の生きる権利を守り、支える、生活支援本来の制度に転換する必要がある。

生活保護を人権保障にブラッシュアップ

五十嵐 自治体によって対応が違う。東京では、生活保護を前提に一時的なホテル滞在ができるのに、それを伝えず無料低額宿泊所に誘導するところがある。生活保護の決定に先立つ当座の生活資金でも、支給額にバラツキがある。

森英夫 皆さんが言うように住居が大切。保障には、生活・住宅・医療扶助を切り分ける生活保護の単体支給が効果的だ。家族の収入や家もあるのに、家族関係の悪化でその人だけ別居するケース。このときに必要なのは家だ。家族収入の関係で現行の生活保護からはじかれても、住宅扶助単給ならニーズを満たせる。

伊地智 コロナ禍は人災の面が強い。乗り越えるには、日常生活と地続きの生活支援拡充が不可欠だと思う。

森一敏 生活保護と、その一歩手前の位置付けの生活困窮者自立支援に橋を架け、全体として生活保障の制度にする。そんな生活支援法のイメージがある。

福島 皆さんが報告された地をはう活動としっかり結びつきながら、生きた、必要な公助を、国と地域を貫いて確立していく。一緒に頑張りましょう。