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コロナ禍「年越大人食堂」「相談村」より~このままでは死んでしまう~

カテゴリー:新型コロナウイルス 社会新報 貧困・格差 投稿日:2021-01-25

(社会新報2021年1月27日号1面より)

新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、感染拡大の影響から解雇や雇い止めにあった労働者が街中にあふれている。「このままでは死んでしまう」と叫ぶ、仕事や住む場所を失った人たちを支援しようと、年末年始にかけて労働者や市民らによる「年越し大人食堂2021」「年越し支援コロナ被害相談村」などが取り組まれた。

福島党首も法律相談

正月の元日、東京・千代田区の聖イグナチオ教会で、新型コロナ災害緊急アクションの主催による「年越し大人食堂2021」が開かれ、生活困窮者のための弁当配布や生活相談などが実施された。つくろい東京ファンド、ビッグイシュー基金、POSSE、反貧困ネットワークの共催。お弁当の調理監修を料理研究家の枝元なほみさんが務め、ボランティアスタッフらと腕を振るった。340食のお弁当を配布した。生活相談を受けたのは45人。そのうち女性が2割、外国人が7人。14人に生活給付金を渡し、12人が医療相談を受けた。緊急宿泊支援を行なう東京都の「TOKYOチャレンジネット」に4人が宿泊した。
弁護士でもある社民党の福島みずほ党首や宇都宮健児弁護士らも、法律相談にあたった。相談を終えた福島党首は、「コロナ禍で苦しむ人々を支援し、みんなが生きていける社会を何としてもつくっていかなければならない」と訴えた。

元旦に生活困窮者の相談にあたる福島党首(右)と宇都宮健児弁護士(中央)。手前が相談する外国人女性。

公助がないと限界だ

続いて、3日も大人食堂を実施し、399食のお弁当を配布。74人が生活相談を受けた。そのうち31人がナイジェリア、イラク、ペルー、ベトナム、エチオピア、ギニア、アフガニスタン、ブラジル、トルコ、カンボジアの各国出身で、職を失い公的支援を受けられない外国人の深刻な現状が浮き彫りとなった。38人(計68万円)に緊急給付金を配った。
瀬戸大作さんは「私たちの活動は共助です。しかし公助がないと根本的な解決にはならない。残念ながら、今の日本では公助がないので共助でなんとかするしかない。そうしないと、人が死んでしまう」と怒りを込めて語った。
新型コロナ災害緊急アクションが呼びかけたクラウドファンディングには、15日時点で1269人から1254万2400円が集まっている。

派遣村が再びタッグ

「年越し支援コロナ被害相談村」は、年末の12月29日、30日、1月2日と、東京・新宿区の大久保公園で開催された。「村」の名前を冠したのは、2008年のリーマンショック(金融危機)時に、職を失った人々に炊き出しやテント泊で支援した「年越し派遣村」にちなむ。当時、支援に関わった市民や労働組合、NPOなどが再びタッグを組んだ。連合に加盟する全国コミュニティ・ユニオン連合会、全労連、反貧困ネットワーク、「年越し派遣村」で実行委員会事事務局長を務めた棗一郎弁護士などが参加し、食料配布や労働相談、「TOKYOチャレンジネット」への宿泊や生活保護申請の同行支援などを行なった。
棗弁護士は「コロナ禍で昨春から夏に職を失ってネットカフェに泊まっていたが所持金が尽きたとか、職があっても単発の仕事しかないという要支援者、相談者がほとんどだ」と指摘する。
「相談村」では、初日の相談者が59人だったのに対して2日目には113人に。急増したのは、マスコミ報道やSNSで情報が広がっただけでなく、新宿駅周辺で「キャラバン」と称してのチラシまきの効果もあったと言う。
支援者は「スマホ代金が払えないとか、契約が切れて、仕方なしにコンビニの無料Wi‐Fiで通信しているという方も少なくない中では、支援を必要としている人に直接、情報を伝えることが必要だ」と語る。
札幌のウーバーイーツで配達業務をしていた35歳の男性は、「東京に行けばもっと仕事がある」と聞いて上京したが、ウーバーイーツに再登録できなくなって失業し、所持金500円で相談村に駆け込んだ。また、外国人技能実習制度で働いていた岐阜県の会社をコロナ問題で仕事がなくなったからと「解雇」されたベトナム人女性は、「帰国したいが、来日時の借金が残っている」と困り果てていた。

抜本的な失業対策を

棗一郎弁護士は、「雇用調整助成金や持続化給付金だけでは失業者はもたないだろう。労働者だけでなく中小企業経営者も追い込まれていて、実際に『相談村』に来ている。一時金はもちろん必要だが、政府は一刻も早く、コロナ禍で職を失った人たちを救う抜本的な失業対策、雇用創出の手を打つべきだ」と訴えた。

お弁当
340食のお弁当が配布された(1日、聖イグナチオ教会)