ニュース

気候非常事態宣言

カテゴリー:社会新報 投稿日:2020-02-28

「気候危機」を直視し一日も早く決議実現を

新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されている。感染への不安やイベントの中止、生活や経済への影響も計り知れない。政府にはこの間の対応の検証とともに、拡大を防止し国民の不安を取り除く対策が求められる。

これらの報道に隠れた感があるが、2月20日、超党派の国会議員による「超党派 気候非常事態宣言決議実現をめざす会」が結成された。議連には40人を超える国会議員が出席。社民党からは吉川幹事長(当時)が共同代表幹事に、福島副党首(当時)が幹事に選出された。今国会中に衆参両院で「気候非常事態宣言」決議の実現に取り組むとしている。地球温暖化問題はもはや「気候変動」のレベルを超えて「気候危機」と言わざるを得ない状況だ。

この「宣言」は、地球温暖化などの気候変動に危機感を示し、国会の総意として対策に取り組む決意を表明するもので、世界では、欧州を中心にすでに1000を超える国や自治体が宣言している。しかし日本は対応が遅れ、国連のグテーレス事務総長は、主要な二酸化炭素排出国である米国や日本などが「2050年には排出量を実質ゼロにすると今年11月までに約束することが極めて重要だ」と指摘している。

異常気象による自然災害が多発し、人命や財産はもとより、自然や生態系に深刻な影響を与え続けている。日本でも昨年の台風19号や集中豪雨での被害、最近では数ヵ月間にわたり延焼を続ける南米アマゾン流域やオーストラリアでの山火事。「最も危険なのは何もしないことではなく、本当の危険は政治家や経営者が対策するフリをしていること。巧妙な計算とPRだけで実際は何もやっていない」と、環境活動家のグレタさんは各国政府を批判する。

まさに日本政府の認識や取り組みが問われている。昨年、英国では、「気候ストライキ」という言葉が流行語大賞に選ばれた。世界各国の危機感や温暖化対策と比較すれば、日本政府の感度は鈍い。小泉環境相もこの超党派議連の活動には期待感を表明しているが、自身は環境相に就任したとたん、「ただの人」になってしまった。「非常事態」と聞けば改憲だと騒ぎたてる危険な与党議員さえいる。問題外である。

まもなく9年目の「3・11」を迎えるが、あらためて国のエネルギー政策が問われている。一日も早い「気候非常事態宣言」決議の実現を求めたい。

(社会新報2020年3月4日号・主張より)