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危険 那覇空港への離発着

カテゴリー:外交安保 投稿日:2020-02-26

米軍優先の長距離低空飛行

危険 那覇空港への離発着

【沖縄】国は一体まともなのか? 命の重さを何とも思っていないことがまた分かった。国民の生命を守る国家としての役割を放棄したとしか思えない。

さる1月24日、国交省航空局の担当者が生命を軽視する発言を行なった。福島みずほ事務所の労で全国基地爆音訴訟原告団連絡会議が政府要請行動をした際のことだ。

現在、沖縄那覇空港に民間機が着陸する際に約30㌔手前から「高度300㍍飛行制限」が行なわれている。あまりにも危険であることから、私たちは、これを撤廃し、全国の他空港同様の離発着高度とするように要請したのである。これに対する国交省の回答は、「離着陸機の飛行高度の指定は、関西、大阪、神戸の関西3空港など、近接する空港の間でも一般的に行なわれております」というもの。関西3空港も何十年も前から那覇空港同様の着陸をしてきたと言うのだ。私は数日後、大阪の弁護士に確認してみた。すると「そんなことはない」という答えが返ってきた。

海面墜落の危険性大

沖縄は空も海も陸地も米軍に支配され、米軍優先となっている。南風が吹く夏場は嘉手納基地、普天間基地に発着する米軍機と那覇空港に発着する民間機が交差する。民間機は300㍍の低空飛行制限がかけられ、米軍機はその上の安全な通常高度を取っている。夏風の時、民間機は北の読谷残波岬上空から着陸態勢に入るのだが、そこからすでに高度300㍍の低空飛行を強いられている。本来そのあたりの適正な飛行高度は、降下角度からして約1500㍍。30年前の全運輸労組のアンケートによれば、操縦士たちは、この300㍍低空飛行について、とても緊張する、危険だ、と訴えている。乱気流が発生することもあり、上から下にたたきつける突風もある。故障などで不都合が発生すると、300㍍の低空では対処する余裕がなく、海面墜落の危険が高まるという。国内では、ここ那覇空港だけが、何十年も前からこうした危険な状況を強いられている。

民間機の安全どうなる

1980年、米フライング・タイガー社の貨物機が那覇空港手前で墜落し、4人の乗務員全員が死亡した。また、ブロンコという対ゲリラ戦用米軍機が民間機のわずか数㍍上をかすめるニアミスもあった。あわや大惨事になるところだったのだ。

民間機には200人近くが搭乗し、米軍機には数人が乗っていた。米軍機はいざというときパラシュート脱出ができるが、民間機の乗客にパラシュートはない。数人の命より200人の命が軽んじられている。自国民の命の危機に何の責任も持たないのが歴代内閣、政府の姿だ。国の第一の責務はまずは自国民の命を守ることではないのか? それを放置するのは国民へのネグレクト、虐待ではないか?

いま沖縄への入域者数は年間1000万人を超え、ハワイに並んだ。南風が吹く夏場がその半分以上を占める。責任ある危機管理を行なうのであれば、同じ敗戦国のドイツ・イタリアと同様、米軍による空の支配権を取り戻し、本土の他空港同様の適正な高度で民間機を離着陸させるべきだ。それができないのであればこれらの国の指導者よりわが国の指導者が劣っていると自ら証明していることになる。またそのことを知りながら指導者を選ぶ国民も同罪で、人命軽視への加担者になる。

嘉手納基地は、爆音・墜落の恐怖だけでなく、毎日、人々の命を危機にさらしている。戦後75年、私たちを苦しめる嘉手納基地と、国民の命を軽視し米軍の利益を優先する政府は許せない。
(第三次嘉手納爆音原告団・平良眞知事務局長)

(社会新報2020年2月26日号より)