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自衛隊の中東派遣は憲法違反

カテゴリー:外交安保 投稿日:2020-02-14

自衛隊の中東派遣は憲法違反

護衛艦「たかなみ」出航で市民ら抗議

【神奈川】昨年12月27日、安倍政権は、国会承認不要な防衛省設置法の「調査・研究」に基づき、中東海域における日本関係船舶の安全確保に向け、自衛隊を中東海域に派遣する方針を閣議決定した。今年1月11日には、海上自衛隊のP3C哨戒機を沖縄県の那覇基地から中東に派遣した。

2月2日には、海上自衛隊横須賀基地(横須賀市)から護衛艦「たかなみ」を強行出航させた。派遣人員は護衛艦とP3Cを合わせ約260人。同基地ではこの日、午前中に出国行事が行なわれ、安倍首相も参加した。安倍首相は乗組員を前に「わが国で消費する原油の9割が通過する命綱といえる海域。諸官の任務は国民生活に直結する大きな意義がある」と訓示した。海自艦艇の長期派遣は初めてで政府は派遣費用を約52億円と見込んでいる。

米国とイランの対立など、中東情勢は緊張が続いており、自衛隊が不測の事態に巻き込まれることへの懸念が非常に強い。自衛隊の海外派遣という憲法違反につながる重要な課題が、国会の審議もないまま安易に閣議決定で行なわれるのは、国会軽視にほかならない。

自衛隊員の命を守れ

神奈川平和運動センター(福田護代表)と三浦半島地区労センター(佐藤治議長)はこの日の早朝、中東への派遣は武力行使の一体化につながり憲法違反だとして、横須賀市内のヴェルニー公園で緊急の抗議行動を展開した。

行動には社民党をはじめ労組、市民団体など230人が参加し、横須賀港を出航する「たかなみ」に向かってシュプレヒコールを上げた。

社民党の福島みずほ副党首は連帯のあいさつで、「緊張が高まる中東への派遣には明確な必要性も緊急性もない。法的根拠もあいまいにして武力行使の範囲を広げることは明らかに違法だ」と政府の対応を批判した。

市民団体「ヨコスカ平和船団」と三浦半島地区労センターは船2隻を出して海上で抗議。「たかなみ」の近くで「中東へ行かないで!」と書いた横断幕を広げ、「自衛隊員のいのちを守れ」と訴えるなど、海上デモを展開した。

イラン核合意への復帰を

その前日にも、同じヴェルニー公園で平和フォーラムと平和センター関東ブロックが共同で抗議集会を開催し、市民や労組員ら370人が参加した。同センターの福田代表は、あいさつで、「中東派遣はなし崩しによる憲法違反だ。トランプ政権による対イラン有志連合への事実上の参加であり、直接参加できないからこのような形をとるのは姑息(こそく)だ」と厳しく批判し、「しっかりと派遣反対の声を上げよう」と参加者に訴えた。

行動に参加した組合員からは「安倍政権は、自衛隊の中東派遣でなくイラン核合意への復帰を米国に求めるよう外交努力すべきだ」「自衛隊員の安全が守れるのか」と政府の外交姿勢を厳しく批判する声が上がった。

参加者は、「中東派兵反対」「憲法違反」と書かれたプラカードを手に「中東派遣中止を」「閣議決定を撤回せよ」などとシュプレヒコールを繰り返した。

(社会新報2020年2月19日号より)