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「合流の是非」2月大会で決めず 党内論議を深め立憲と協議継続

カテゴリー:党務 投稿日:2020-02-07

全国幹事長会議

社民党は1月29日、参院議員会館で全国幹事長会議を開き、党都道府県連の幹事長ら52人が参加した。

立憲民主党の枝野幸男代表からの「よびかけ」、いわゆる合流問題について意見を交わし、党内議論の一定の集約を行なった。

参加者のうち29人が合流問題について意見を述べ、「合流の是非を判断するには情報が少ない」「協議は継続すべき」「協議は打ち切るべき」など賛否両論に加え党分裂を懸念する声が相次ぎ、2月の定期全国大会では合流の是非の方針決定をしないこととし、立憲民主党に協議の継続を求めることを確認した。

又市征治党首はあいさつの中で通常国会の問題に触れ、「桜を見る会疑惑で安倍首相は全く答えようとせず、IR(統合型リゾート)推進法を強行採決した際の委員長で担当副大臣が逮捕・起訴され、また、前経産相と前法相夫妻の議員3人が公選法違反の疑いがもたれている。政治不信は募るばかり」と安倍内閣の腐敗ぶりを厳しく批判した。

そして又市党首は合流問題について「説明資料が足りないまま急いで提起したので、全国連合常任幹事会と地方のキャッチボールがしっかりとできているとは言い難い。枝野代表からの『よびかけ』がなされた時点よりも少し時間の余裕ができたので、議論をしっかりとやらなければならない。建設的な意見を出していただき、党がまとまって行動できるようにしていきたい」と述べ、合流問題の継続論議を呼びかけた。

吉川元・幹事長は2月の党大会に提案する第1号議案「立憲民主党・枝野代表からの『よびかけ』について」の今後の対応(案)を説明した。

党内議論の豊富化を

昨年12月6日、立憲民主党の枝野代表から共に闘うことを求める「よびかけ」があり、同月12日の社民党常任幹事会で党内議論を開始し、吉川幹事長を窓口に立憲民主党側と協議を行なうことを確認した。社民党常幹は同月19日、「よびかけ」に対する考え方を確認し、同日のブロック事務局長会議での意見も踏まえ、討議資料「立憲民主党・枝野代表からの『よびかけ』について」を党都道府県連合に送付。意見書などは、今年1月20日を締め切りとして、党内議論を開始した。党地方組織・個人からは多くの意見書が寄せられ、同月21日のブロック事務局長会議でも党内議論の状況について報告を受けた。労組や関係団体とも意見交換を行なった。

その結果、社民党の党員・党組織が団結し、まとまって行動できる環境整備に最大限努力し、合流の是非の判断は2月の党大会では行なわずに次期臨時党大会で行ない、それまでの間、党内議論を継続・豊富化し、丁寧に積み上げることとした。

その理由として吉川幹事長は、①党が団結してまとまって行動するために、引き続き十分な党内議論の時間を保証する必要があること②合流の是非にかかわらず、社会民主主義の理念・政策、運動、組織を次世代に継承していくために何が必要なのかについて議論をさらに深めていく必要があること③立憲民主党と国民民主党の合流が現時点で困難となったが、安倍政権に対峙(たいじ)する「大きなかたまり」をつくる上で両党の協議状況も考慮した対応が求められること――の3点を挙げた。

新党首選出は大会で

また、延期している党首選挙については、時間的な制約から党則に基づいて党大会で選出することを決め、具体的な方法を検討することになった。

幹事長報告に対する質疑・答弁

合流の問題点を整理・継続議論を

■質 疑

川路孝(鹿児島) 4月に鹿児島市議選を控えており、党公認4人、推薦1人の5人を擁立予定。もし2月の党大会で解党を決議したら、票が取れるはずがない。大会で合流を決めないとのことでホッとしたが、合流の議論が続くと党の求心力がなくなる。合流の討論を続けるべきではない。

川口洋一(大阪) 全党員会議で党員の大半が合流に慎重論だ。地方から見ると、中央の合流話から置いてきぼりにされたという不安感をもつ。ぜひ地方組織と共に議論を深めてほしい。また一般の有権者から見ると、「大義なき合流」は党利党略、組織防衛にしか映らないのではないか。

米田晴彦(香川) 党全国連合および各都道府県連の指導部にお願いしたいことは、単に合流の是非を問うだけではなく、社民党に展望を見いだせないで足をすくませている党員たちに対して、社民主義の生き残りを賭けた問題であると整理をし直して議論の深化を呼びかけていただきたい。生き残る道筋を示し、そのために必要な条件とは何か、判断できる具体的な材料を示していただきたい。また党首選出では合流に賛成・反対で亀裂が起きないよう注意してほしい。

工藤新一(秋田) 秋田県はイージス・アショアの配備候補地として大変な混乱を余儀なくされている。配備に反対する市民の政治的要求を保障することが政党に課せられている使命だ。社民党は党員だけのものではない。合流の問題では実感の沸く提案がなされておらず、判断できる材料がない。

久保耕次郎(高知) 立憲民主党をどのように見るのか。高知での野党共闘では立憲民主党の姿が全く見えてこない。不信感がある。長年、社会党・社民党として築いてきた先輩たちの歴史を何としても引き継いでいかなければならない。大会では運動の具体的な課題を提起してほしい。いったん中止となった党全国キャラバンはその後どうなるのか。

五味靖幸(三重) 8割方が合流やむなしという意見ではあったが、それにしても合流の条件が提示されていない。問題点をもっと整理して提案していただきたい。

■答 弁

吉川元幹事長 「十分な情報がない」「時間が不足」という声を受けて、社民主義の政策・理念・運動・組織の継承について具体的に議論するための素材を今後もっと提供していきたい。

立憲民主党の理念をどう見るかについては、枝野代表が1月22日、衆院本会議で訴えた内容をみると、第1に「支え合う安心」。これは自己責任論からの脱却。第2に「豊かさの分かち合い」。分配なくして成長なし。第3に「責任ある充実した政府」。民間への丸投げが続いた小さな政府論の幻想からの脱却。この3点の限りにおいては社民主義の理念をこの中で展開していくことは可能と考える。

大会での党首選出をめぐって党内に亀裂が起きないよう注意していく。

中川直人組織団体局長 党全国連合は昨秋、全国キャラバンの計画を決めたが、その直後に発生した台風・豪雨被害により、キャラバンを中止し、今日に至っている。党大会の第2号議案の中で具体的に提案していきたい。

合流の議論をここで打ち切るべき

■質 疑

徳光清孝(佐賀) 合流のための協議を進め、懸念される課題が解決すれば合流すべきだ。反戦平和、護憲、脱原発といった運動を引き継ぐことができるのか、一般党員が地域で活動できる場があるのかなどである。合流協議の最終判断はいつごろをめどに考えているのか。

浅野隆雄(北海道) 執行部のこの間の態度やコメントは、やはり合流に前のめりであったと感じる。手続き、機関運営のあり方に問題があったのではないか。共同会派の取り組みは好評だが、「共同会派の政党化」という認識には無理があるのではないか。

羽田圭二(東京) 都連合は、合流する・合流しないの賛否を問うのではなく、今日的な情勢や自分たちの運動や組織の現状から野党結集の意味を考えてきた。①党がまとまって行動すること②組織・運動・社民主義の政策や理念を維持することを確認し、いま求められている共通する課題を見いだしてきた。議会対応を議員任せにしないことや、労組との関係の希薄化を改善する取り組みの必要性などを共有化した。

渡辺英明(新潟) 合流に反対する。合流の議論はここで打ち切るべきだ。なぜなら、合流の議論をすればするほど組織が疲弊していくからだ。社会主義インターに日本で唯一加盟している社民党がなぜ解党して保守リベラル政党と合流しなければならないのか。年始に伊勢神宮に行くような人を党首に仰ぎたくない。

馬場功世(熊本) 合流の呼びかけは時期尚早であり、拙速だ。昨年の参院選で大椿さんや仲村さんなど素晴らしい候補が戦い、社民党にまだ希望があることを示した。熊本では野党のすみ分けが成立し、熊本3区から私が出馬することになった。全国連合からの支援をお願いしたい。

相楽衛(茨城) 性急な合流の議論を進めると組織が分裂し、離党者が出る。分裂解体の事態を避けなければならない。合流ありきの議案を全国大会で出すべきではない。統一と団結を求める。社民主義の理念・政策に基づいた運動課題がどこにあるのか、方針を補強して出してほしい。

■答 弁

吉川幹事長 合流協議の最終判断の時期的なめどをいつごろにするかは、総選挙の時期をにらみながらとなる。誤解や不信感を持たれるようなことがあったならば、そうした声をしっかりと受け止め、今後そのようなことがないようにしていきたい。合流する、合流しないにかかわらず、危機的状況は変わらないわけであり、しっかりと議論を継続することが必要だ。

情報交換のレベルではあるが、立憲民主党は原発ゼロ基本法案の早期成立を目指しており、再稼働をさせない、全ての原発を廃炉にするという姿勢に揺るぎはない。この部分では社民党と大きな違いはない。今後、個別の運動課題について詰めた話をしていきたい。

党再生に向けた議論につなげたい

■質 疑

星孝典(栃木) 合流の議論を通して、党の現状、県連合の現状について確認し、組織を点検することができた。これをどうやって党を再生、活性化していくのかという議論に変えていく必要がある。衆議院の候補者の発掘も進めている。県連合としては合流に反対。一人ひとりの党員と向き合って、党の再生に向けた議論につなげたい。

清水文雄(石川) 石川は全国有数の保守王国。そこに小松基地と志賀原発がある。その闘いに党が取り組み、市民の運動とつながってきた。その声を届けるのが社民党の役割だ。合流は社民党の解体であり反対。合流問題にけじめを付けて党大会にのぞむべき。党首選挙は党則で規定されたもので、実施すべきだ。

大津留求(兵庫) 兵庫としては、合流を前提に社民党の宝である地方組織の維持発展のための議論を進めてほしいとの立場。中央は即合流でも、地方組織は対等な立場で時間をかけて議論すべき。現状認識は中央常幹と同じだが、合流前提の前のめりな進め方には違和感。議論してまとまるのかも疑問。どうやって決めるのか。

福山権二(広島) 中国ブロックとしては、流れが分からず賛成できないという状況。各県の現場では反対が多い。賛成反対以前にどういう環境で合流できるか、議論のステージができていない。全国連合は何を目的にやっているのか、現状認識が共有できない。党内に不信感が生まれ、議論がしづらい。統一できるようにしてほしい。

渡辺敏雄(福島) 県連合で徹底的に議論した。合流問題を大会議案にすべきではない、議論が深まっていない中で賛否を問うべきではないということで一致した。来る選挙で小選挙区に社民党公認・統一候補となる候補をつくろうとしているが、合流問題があるうちは公認候補擁立は進まない。早く判断をしてもらい、団結して戦っていきたい。

山本誉(島根) 理念、政策、地方組織、党員制度、機関紙活動、運動、専従者が示されないと議論ができない。頑張るという党員の意気込みはたくさんある。より具体的な投げかけをしてほしい。党首選については、大会で一つにまとまるためには大会の中で決めるのでもいいのではないか。

伊藤善規(愛知) 党員討論集会では7対3くらいで反対意見が多い。幹事会では9対1で反対が多い。この議論をすれば亀裂が入る。やってはいけない。党がどういう運動をつくっていくかという議論を抜きに合流話を進めるべきではない。合流の話で候補者擁立の議論も止まってる。合流話は凍結してほしい。

■答 弁

吉川幹事長 合流の決め方については、2月の党大会では賛否を問わないことにしたので、どこかの時点で臨時党大会を開き結論を得ることになる。

衆院選挙の候補擁立は、合流問題と関係なく必要だ。立憲野党の中の調整は以前より強まっていくだろう。合流するしないにかかわらず、社会民主主義を体現する候補者が必要であり、擁立を進めてほしい。

合流の議論をすべきでないとの意見があった。合流の賛否を問うだけの議論ではない。合流は党の現状について議論をしていく中の選択肢の一つ。引き続き議論していただきたい。

具体的な内容が分らず判断できないというのは、理解できる。しっかり明らかにして判断材料を示したい。

合流議論は凍結し衆院選へ全力を

■質 疑

木戸進次(滋賀) 合流議論を打ち切るべきだ。資本主義は混迷し、4割の非正規労働者が苦しんでいるのに党が国民に方針を出せていない。党が自信を失っているときに立憲民主党に行ってどうなるのか。合流ではなく、市民と野党の共闘で十分だ。社民党はあらゆる市民運動の人と連携を。合流問題の議論は凍結にし、いかに衆院選を戦うかの議論を。

坂本浩(長崎) 立憲民主党だけでなく国民民主党を含めた三すくみになると議論が変わってくる。地方では違った議論になる。立憲民主党の性格も変わるのではないか。党として立憲民主党に基本理念の一致を求めるのか。

村山弘行(福岡) 社民党を解党するのか。立憲民主党の綱領は「日米基軸」であり、社民党宣言とは違い、保守政党だ。立憲民主党とはまだ情報交換レベルなので白紙にし、院内外の共闘を。大会は衆院選をどう勝ち抜くのかを議論すべき。衆院選では福岡県で追加公認をもう1人出し、九州ブロックで8人を擁立したい。

守永信幸(大分) 全体的には「合流やむなし」が多数だが、「合流すれば俺は党を辞める」という年配者もいる。合流しない場合、50人の自治体議員がバラバラにならないか心配だ。全体が一緒に一歩前にどう進むのか継続した議論を。党首選は、分裂が助長されるのならやるべきでない。国会議員4人がまとまって行動を。

池田清(長野) 幹事長会議がガス抜きになっていないか。議論できるような具体的な提案を。総支部の7割が合流やむなし。一方で今の運動・組織を立憲で担保できるのか疑念がある。議論は戻れない。継続の討論を。前向きで元気が出る全国大会にしよう。

川辺美信(埼玉) 参院選で100万いただいた票をどう総括しているのか。中間選挙を戦ったが、合流問題の議論が水を差した。19総支部で社民党の運動を次の世代にどう残すのか真剣な議論を行なった。一定の期間で議論を終わりにし、活動に集中すべき。党首選は党員の参加を保証すべき。

三木富司(群馬) 非核・護憲・平和運動や国民運動など、平和センターと共に取り組んできた。党の見える化の街宣なども。合流問題は地域の党員を無視している。社民党がこれまでつくり上げてきた運動に寄り添うべきだ。団結を強め党の強化を。

佐々木信一(岩手) 社民党員の9割が合流やむなし。2支部が反対。平和・護憲・原水禁の政治理念を立憲に引き継ぐよう要望する。あわせて全国・地方をつなぐ政治集団の結成や事務所、社会新報の継続を求める。党が一致団結した党大会にしよう。

深澤高行(山梨) 反自民・反安倍の野党共闘を強化するためにも社民党が必要。「党名にこだわらない」という議論もあるが、党員は敏感だ。社民の名にこだわりがあるから残って闘っている。

辻隆一(宮城) 1996年の党分裂の教訓から、党の統一と団結を守ることを最優先に考えるべきだ。労組や友好団体とも団結を強化したい。社民主義の理念を大切にしなければならない。全国大会では合流問題の結論を出さず、議論の継続を。

■答 弁

吉川幹事長 今回の合流問題の議論は突然の提起で党員に不安や不信を与えたが、党の厳しい状況を思えば、今後どうするのかの議論は避けて通れなかった。立憲民主党と国民民主党の間では、立憲民主党が理念・政策を変えないということ。国際組織・進歩同盟にどう対応するかは議論を。社民党を解党するかしないかの議論ではない。社民党の運動・組織をどうしていくのか。社民主義の運動・理念をどう後世に残すかが中心の議論だ。立憲民主党は自民党のような保守だという議論は疑問だ。党の存続の基盤、働く者の連帯を考えたとき、保守とは言えないのでは。党がどうなろうとも(平和センターなどを通じた)横のつながりや運動の連携は継続していかなければならない。

(社会新報2020年2月12日号より)