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公職選挙法違反 河井夫妻は議員辞職を 

カテゴリー:倫理選挙 内閣法務 投稿日:2020-02-05

「疑惑国会」とも呼ばれる第201回通常国会が1月20日に召集された。安倍内閣の「政治とカネ」をめぐる問題を象徴するのが、河井克行前法相(衆院議員)と妻・案理参院議員による公職選挙法違反事件だ。

昨年10月末の疑惑発覚後、河井夫妻は公の場から姿を消し、19年の臨時国会を欠席し続けた。

広島地検は今年1月15日、河井夫妻の事務所や自宅、秘書宅などに次々と家宅捜査に入った。また、案理議員の公設第2秘書・立道浩氏に対する連日の事情聴取を行なった。

運動員に法定外報酬

事件を概観してみると―。昨年7月に実施された参院選で初当選した河井案里議員の選挙運動で、選挙事務所が車上運動員(ウグイス嬢)13人全員に対して法定上限額の2倍に当たる1日3万円の報酬を支払ったという事件。選挙事務所の実質的なトップで資金の差配をしていたのが夫の克行議員であると指摘されている。

法定上限額の2倍の報酬を支払うという、公職選挙法が禁じる運動員の買収行為に当たる。運動員の買収行為は、買収した人もされた人も共に3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科され、出納責任者などの買収が確定すれば、連座制により議員の当選が無効となる。

事件の手口は、2枚の領収書に分けた違法行為である。領収書の1枚が「河井あんり選挙事務所」宛てで日付は参院選投開票日の7月21日付、1日当たり1万5000円で、ただし書きに「車上運動員報酬として」とある。この領収書が選管に届けられた。

もう1枚の領収書は宛名が違っていて「河井あんり事務所」と「選挙」の文字がなく、日付は選挙公示7月4日の前の7月1日、1日当たり1万5000円でただし書きは「車上運動員」ではなく「人件費」となっている。

河井克行衆院議員は、1963年生まれ。松下政経塾に入り、広島県議1期を経て96年に衆院選に初当選(現在、7期目)。安倍首相補佐官などを経て、19年9月に安倍内閣で法相として初入閣。パワハラやセクハラが度々マスコミで指摘されてきた。公選法違反疑惑報道を受け、同年10月末に法相を辞任。法相在任期間はわずか51日間だった。

巨額の選挙資金

一方、妻の河井案理参院議員は1973年生まれ。2003年に広島県議に当選し4期務めた。自民党本部が19年の参院選では広島選挙区(改選議席2)に2議席独占の方針を決め、案理氏の擁立を決定。案理氏は初当選したが、自民2人擁立の影響で、現職の自民党・溝手顕正氏が落選。

驚くべきことに、参院選直前、案理候補の陣営に自民党本部から1億5000万円という異常に巨額な選挙資金が振り込まれていた。克行議員が代表を務める自民党広島県第3選挙区支部に7500万円、案理議員が代表を務める自民党広島県参議院選挙区第7支部に7500万円がそれぞれ振り込まれた。合計で1億5000万円。同じ広島選挙区で立候補した自民党の溝手前参院議員への支給は1500万円というから、10倍もの開きがある。

案里議員は1億5000万円の受領を認めた上で、「違法ではありません」と記者団に居直っている。

安倍首相の後ろ盾は絶大で、1億5000万円の巨額資金に加えて、首相の地元・山口県から秘書4人が代わる代わる広島県の案理選挙事務所に入って支援した。安倍首相丸抱えの選挙といっても過言ではない。

疑惑発覚の昨年10月末以来、雲隠れを続けてきた河井夫妻は1月15日、それぞれマスコミの前に姿を見せ、離党も議員辞職も否定した。

社民党の又市征治党首は同日、ツイッターで「河井克行氏を法相に任命し、案里氏を参院議員候補として公認した責任を安倍首相・総裁はどう取るのか。安倍政権の底が抜けかかっている。首相の責任を徹底追及する」と安倍首相を厳しく批判した。

(社会新報2020年2月5日号より)