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19年度補正予算案 安倍政権の退陣こそが最大の経済対策

カテゴリー:社会新報 投稿日:2019-12-24

安倍政権は12月5日、事業規模26兆円にもなる経済対策を決定し、13日に4・3兆円の2019年度補正予算案を決定した。相次いだ台風災害や豪雨災害などを受けた復旧・復興や防災・減災対策は当然だ。にもかかわらず、安倍政権は、「桜を見る会」の疑惑から逃げ回り、補正予算案を提出しないまま国会を閉じてしまった。自らの都合で被災者や被災地を犠牲にする姿勢は断じて許せない。

補正予算は、財政法29条で、予算作成後に生じた特に緊要となった経費の支出のためと規定している。しかし、安倍政権では、「15ヵ月予算」という名目で、査定も甘い補正予算案が「第2の財布」と化し、次年度予算に盛り込むべき事業を「前倒し計上」する手法が常態化している。過去最高の5・3兆円規模が見込まれている来年度予算の防衛費とは別に、防衛費の補正予算としては過去最高の4287億円が計上されている。弾道ミサイルなどの脅威に対する総合ミサイル防空能力の強化(1456億円)は補正に入れ込むような中身ではない。自衛隊の安定的な運用態勢の確保(2327億円)も、頻発する自然災害に対応するためだけではなく、軍事に対応可能な内容である。これらが被災者支援や経済対策になるのか。

政府の見解では、「景気は緩やかに回復している」はずだった。今回の対策の実質GDPの押し上げ効果は1・4%程度で、7兆円あまりにすぎない。しかも赤字国債を2・3兆円も発行する。消費税を増税して借金も増えてしまうという馬鹿なことが行なわれている。「GDPの6割弱を占める個人消費は、民需を中心とした持続的な経済成長の要」であるというのなら、「マイナンバーカードを活用した消費活性化策」という愚策ではなく、消費税率を戻すべきだ。

アベノミクスの加速どころではない。本当の意味で被災者や労働者・社会的弱者が安心できる対策を求めていかなければならない。経済対策が選挙対策の「見せ金」であり、通常国会冒頭で補正予算案を成立させて、解散・総選挙ということも取りざたされている。子年は、片山、芦田、岸、佐藤、村山、福田内閣が倒れた政局政変の年である。また、日本で五輪が開催された年は必ず内閣が交代している。安倍政権の退陣自体が経済対策だ。社民党が先頭に立って、憲法を活(い)かす政治を実現する年にしよう。

(社会新報2019年12月25日号より)