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変形労働時間制は教員の労働時間削減にならない

カテゴリー:文部科学 投稿日:2019-11-27

給特法改正案 吉川元・幹事長が衆院文科委で追及

給特法改正案 吉川元・幹事長が衆院文科委で追及 公立の小中学校教員の時間外労働に上限ガイドライン(月45時間・年360時間)を設けるとともに、1年単位の変形労働時間制度を条例によって学校現場に導入できるとした教職員の給与特例法(給特法)改正案が13日と15日の両日、衆院文部科学委員会で審議され、社民党の吉川元衆院議員(幹事長、会派=立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム)が両日、質問に立った。

13日の委員会で吉川議員は、1年単位の変形労働時間制は、業務に繁閑があり1年を通じて恒常的な時間外労働が存在しないことを前提にした制度だと指摘。小学校で年800時間、中学校で年1100時間余りの恒常的な時間外労働が発生している学校現場では、労働時間の大幅な短縮抜きに制度は導入できないはずだと主張した。

また、労基法では、同制度の導入に際し、労使協議に基づく書面による労使協定を必要としているのに対し、改正案は都道府県あるいは政令市の条例に委ねられることから、教員あるいは学校単位の意思と関係なく「県下のすべての学校に対し、強制的に導入をされる可能性があるのではないか」と問題視した。

15日の委員会で吉川議員は、教員の勤務実態と給特法の関係について質問。現行の給特法は教員の時間外労働を校長が命令した「超勤4項目」(生徒の実習、学校行事など臨時で対応しなければならないもの)に限定し、授業準備であっても、教員の「自主的・自発的」な業務として残業代支払いの対象としてこなかったのに対し、今回の法改正では、教員が校内で行なう業務をすべて「校務」として、勤務時間管理の対象とした。

この点について吉川議員は、校務として勤務時間管理の対象としながら、その一方で時間外労働の圧倒的部分を依然として残業代不払いにすることは矛盾だと指摘。萩生田文科相も、法制定から「50年が経過し、矛盾を包含していることは理解する」と答弁せざるを得なかった。

その後の採決で、改正案は教員の長時間労働の抜本的な削減に値しないことを理由に、会派として改正案には反対した。

付帯決議には、変形労働時間制度は休日のまとめ取りにのみ利用すること、3年後に勤務実態調査を実施した上で、給特法を含めた関係法令の見直しに着手することなどが盛り込まれた。

(社会新報2019年11月27日号より)