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大学入学共通テスト 安倍政権の「教育再生」をただしていく

カテゴリー:社会新報 投稿日:2019-11-13

萩生田光一文科相は、「自信を持って受験生におすすめできるシステムになっていない」として、2020年度開始の大学入学共通テストで英語民間試験の成績を利用する制度の導入を延期することを発表した。大学入学共通テストについては、採点の公平性への疑問や、受験生の自己採点の難しさから、国語や数学の記述式問題についても導入の見送りを求める声が出ている。萩生田文科相は「採点を確実に行なうこと、受験生が自己採点を行ないやすくすることが今後の課題だ」と述べているが、採点の確実性もないし、自己採点も難しいということにほかならない。大学入学共通テスト自体を見直していく必要がある。

19年度から、国語と数学、英語の3教科が対象の「高校生のための学びの基礎診断」も始まっている。漢検や数検などの検定試験やベネッセの総合学力テストなど計9団体25種類の民間試験が使われ、検定料は受検生の負担だ。

これらの改革は、国家や財界に役立つ人材づくりを目指す「教育再生」を進めている、安倍総裁直属の「自民党教育再生実行本部」や安倍首相肝いりの私的諮問機関「教育再生実行会議」で浮上した。今回の「教育再生」も、モリカケや水道民営化など他の安倍政権の施策と同じように、利権と癒着構造にまみれている。少子化で厳しくなってくる業界に、民間試験の受験料、採点業務の費用、関連教材の売り上げ増など、多額の利益を保証する。ベネッセと関連企業は、英語民間試験の「GTEC」を運営し、小中学生の「全国学力学習状況調査」の採点や集計、大学記述式の採点業務を請け負い、「高校生のための学びの基礎診断」も受託している。文科省の有識者会議傘下の協議会には、ベネッセの担当者らが参加していた。英語試験法人に旧文部省次官らが天下りし、文科省が招へいした外国の有識者の旅費と報酬をベネッセが肩代わりしていた。教育再生本部長や文科相を務めた下村博文氏は、塾や教育産業から献金を受けていた。

今回、受験生や高校生、保護者、教職員をはじめとする多くの皆さんの声が野党と協力して政治を動かすことができた。入試や教育は、若い人や保護者の関心が高いテーマだ。社民党は、利権や癒着にも切り込み、入試や教育をビジネスチャンスと捉えて公教育の私物化を進める「教育再生」を徹底追及していく。

(社会新報2019年11月13日号・主張より)