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憲法に反する「身の丈」発言追及

カテゴリー:文部科学 投稿日:2019-11-01

■吉川元・幹事長が衆院文科委で萩生田大臣に

吉川元・幹事長 社民党の吉川元衆院議員(幹事長、会派=立憲民主・国保・社保・無所属フォーラム)は10月31日の文部科学委員会で、大学共通テスト(現在のセンター試験)への民間英語試験の成績利用について質問。民間英語試験の利用は家計所得や居住地による格差を拡大するとの懸念に対し、萩生田光一文科相がテレビ番組で「自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と格差を容認するかのような発言をしたことについて、憲法と教育基本法が保障する「教育を受ける権利」「教育の機会均等」を「真っ向から否定をする中身」だと厳しく批判した。

また、大学側の民間英語試験の利用状況が包括的に公表されたのが10月に入ってからだった点を取り上げ、試験の重大な変更時には2年程度前に予告することとした「入学者選抜実施要領」に違反するものだと萩生田文科相を追及。文科相は、自分の志望する大学が民間英語試験をどのように利用するのか分からずに困惑する高校生を尻目に、民間英語試験の利用は「教科・科目の変更ではない」として、実施要領に違反するものではないと強弁した。

吉川議員は、3年生の4月から始まる民間英語試験は、大学受験の実質的な前倒しとなり、現在でも3年生の進路指導で苦慮する教員が、民間英語試験を控える2年生の対策・対応にも追われ、学校現場が一層、多忙化することを問題視した。

これに対し、萩生田文科相は、民間英語試験の大学入試利用では「高等学校の学習指導要領との整合性」が事業者の参加要件とされていることから、授業での負担増は生じないとして教員の定数増を否定。ただし進路指導の負担回避や4技能に対応するスキルアップの観点から、英語教員やALT(外国語指導助手)の増員を今後、検討していくと答弁せざるを得なかった。

当日の委員会で、野党議員の多くが、準備の遅れやスキームの問題点を指摘して民間英語試験利用の実施延期を要求。翌11月1日に萩生田文科相は、2024年度までの実施延期を表明する状況に追い込まれた。

(社会新報2019年11月13日号より)