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幼保無償化 差別なく全ての子どもたちに適用を

カテゴリー:社会新報 投稿日:2019-10-16

10月1日から消費税が10%に引き上げられ、消費税増税分を財源として、幼児教育・保育の無償化が始まった。安倍首相は、所信表明演説で、「3歳から5歳までの全ての子どもたちの幼児教育、保育の無償化が実現しました」と胸を張ったが、地域のニーズにこたえて懸命に運営している認可外の幼稚園的な施設(幼稚園類似施設)や各種学校の外国人幼児教育施設は、無償化の対象外となった。

文部科学省によると、各種学校の認可を受けている外国人幼児教育施設(朝鮮学校幼稚園やインターナショナルスクール)は88ヵ所で、3000人弱の子どもたちが学んでいる。政府は、昨年12月28日の関係閣僚合意の注釈で、各種学校は多種多様な教育を行なっており、児童福祉法上、認可外保育施設にも該当しないため、無償化の対象とはならないとした。無償化の対象になるために、各種学校である外国人幼児教育施設が認可外保育施設として届け出ても、自治体が取り消したり、受理を拒んだりする事例が生じている。各種学校未認可の外国人学校は、認可外保育施設として幼保無償化の対象になるのに、各種学校認可の外国人学校は、「質の担保」ができないから対象にならないというのは、矛盾にほかならない。

外国人学校関係者をヒアリングに呼ぶこともなく、外国人学校の教育内容の実態を調査することもなく除外が決まったが、子ども・子育て支援法の基本理念は、「全ての子どもが健やかに成長することを支援する」となっている。子どもの権利条約は、いかなる差別もなく、「児童の最善の利益」をうたい、全ての子どもに対する教育の権利を保障している。通う施設によって無償化になる子どもがいたり、適用外になる子どもがいたりするのは、こうした趣旨に反する。政府方針の注釈で除外するのではなく、児童福祉法に従い、保育の実態に即して認可外保育施設かどうか判断し、無償化の対象とすべきである。

昨年強行された改正入管法によって、今後5年間で約34万人の外国人が労働者として日本で暮らすようになるといわれている。その子どもたちも無償化の対象から除外し続けるのか。母国語と民族的アイデンティティを育てる教育を受ける権利は、国際的にも保障されている。差別なく、日本社会に暮らす全ての子どもたちに無償化が適用されるよう求めていく。

(社会新報2019年10月16日号・主張よりより)