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横浜にカジノはいらない

カテゴリー:内閣法務 投稿日:2019-09-25

女性たちが決起「林市長のリコールを」

横浜にカジノはいらない

神奈川県横浜市西区で14日、同市へのカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に反対する緊急集会「横浜にカジノはいらない女性たちよ手をつなごう」が行なわれた。主催は「横浜にカジノはいらない」実行委員会。会場は約300人で超満員となった。

横浜市長の開き直り

横浜市の林文子市長は8月22日、市内にIRを誘致すると正式に表明した。候補地は、中区の山下ふ頭。横浜中華街に近く、山下公園に隣接する区域だ。市長は、経済波及効果と市の増収効果を強調した。

林市長は、もともとIR誘致に前向きの姿勢を示していたが、一昨年7月の市長選を前にしてトーンダウン。6月の立候補表明の際、IR誘致については「白紙」を表明。3選後も「白紙」と繰り返してきた。

それが、市民から意見を聞く場を設けることもなく、突然の誘致表明。市民の間からは「だまし討ちだ」「裏切りだ」など反発の声が噴出している。だが、林市長は「『白紙』というのは一切やらないということではない」と開き直っている。

9月3日から、横浜市会(市議会)の定例会が始まった。市はIR推進事業費の2億6000万円を含む一般会計補正予算案を提出。IR誘致について議論が続いている。自民と公明は基本的に賛成、立憲・国民フォーラムと共産は反対、という構図だ。

市と事業者が一体に

集会の冒頭、司会を務める福島みずほ参議院議員(社民党副党首)は、「この集会を、横浜でカジノをストップさせるためのキックオフにしよう」と呼びかけた。

集会では、林市長によるIR誘致表明に反対する国会議員・県会議員・市会議員らが、次々と意見を述べた。すべて女性だ。

横浜市会の政策・総務・財政委員会に所属する井上桜市議(無所属)は、前日行なわれた同委員会審議について、次のように語った。

「市側から出されたIR誘致の『効果』を示す資料に根拠がないことが明らかになった。事業者側の言い分にすぎない。プラス面については『根拠がない』、ギャンブル依存症の増加(や治安悪化)をはじめとするマイナス面については『考えていない』ということだ」

カジノは地域を殺す

前参議院議員の糸数慶子さんが基調講演「カジノは私たちの暮らしに何をもたらすのか?」を行なった。糸数さんは、沖縄でカジノ問題に長年取り組み、「カジノ問題を考える女たちの会」の共同代表も務める。

沖縄では、1972年の本土復帰前後から、カジノ構想が「出ては消え、消えては出て」を繰り返してきたという。糸数さんらは反対運動の一翼を担ってきた。そして、翁長知事就任以降、カジノ構想は白紙状態にあるという。

糸数さんは、世界各地のカジノを視察した経験を踏まえ、次のように語った。

「時の為政者は、経済状況が悪くなると、カジノが起爆剤であるかのように人々をだまし、誘致しようとする」

カジノ誘致で地域が崩壊した典型例は、韓国江原道の江原(カンウォン)ランドだという。90年代に炭鉱が次々と閉山となった。政府から提案されたのは、ごみ処理最終処分場、核廃棄物処分場、そしてカジノだった。結局、カジノを選んだ。他の国内16ヵ所のカジノは外国人専用だが、ここだけは「韓国人可」となった。

その結果、ギャンブル依存症患者の激増、治安の悪化、住民流出など、惨たんたる状態となった。社会的費用も考慮すれば、経済的にも大きな損失だという。

糸数さんは、「安倍政権は、アベノミクスがうまくいかない現実を見て、カジノ導入をもくろんでいるのだろうが、これで地域が潤うのか」と疑問を呈した。

どうやって止める?

林市長のIR誘致表明を受け、市民の間で「どのようにして誘致を断念させるか」の議論が始まっている。「市長をリコール(解職請求=メモ参照)しよう」「住民投票条例制定の請求(同)の方がいい」「条例制定運動からリコールへの2段階方式がいい」……。

会場からの質問に応じて福島みずほ議員は、「住民投票であれば、その中身も重要だ。議会で可決されなければできない」と条例制定のマイナス面を指摘した。その上で、反対運動の経路はいろいろあるとしつつ、「最後はリコールで林市長を辞めさせましょう。これしかないんですよ。受任者が1万人とか3万人になれば、私は勝てると思っている」と力を込めた。

 【リコール(解職請求)と住民投票条例制定の請求】市長のリコール(解職請求)には、横浜市の有権者約300万人のうち約49万筆(氏名・住所・生年月日・押印など)が必要。「2ヵ月以内」の制限もある。有効数に達したと認められれば、解職投票が行なわれ、過半数の同意があれば市長は職を失う。
住民投票条例制定の請求の必要数は、約6万2000筆(同)。ただし、直接請求できても、議会が否決したり、住民投票を「骨抜き」にする可能性もある。
(社会新報2019年9月25日号より)