ニュース

家族農業守り農民運動を再確立

カテゴリー:農林水産 投稿日:2019-02-06

■全日農第58回定期大会

全日農第58回定期大会

「命の糧(かて)となる食を提供する『農』を生産性のみに特化し、コストダウンを図る工業製品並みに扱って、日本の農業が果たしてきた役割を貶(おとしめ)ることは許されない」(大会宣言より)。

全日農(全日本農民組合連合会)は1月24、25の両日、東京・林野会館で第58回定期大会を開いた。昨年末のTPP11(米国抜きの環太平洋経済連携協定)発効、2月1日の日欧EPA(経済連携協定)発効という「メガFTA(自由貿易協定)」が現実化する情勢下、「農民運動の再確立」を掲げ、地域農業と農村を形づくってきた家族農業、小規模兼業農家を守ることを柱とする2019年度運動方針(案)を満場一致で決定した。また最終日に役員改選を行ない、斎藤孝一会長の再選などを決めた。

初日のあいさつで斎藤会長は「今の農業・農村を取り巻く状況をどう判断するか。私は本当に異常な状況だと思う」と切り出し、「農業・農村は真綿で首を絞めるように殺されかかっている」と危機感を表明。

「農民組合に結集する皆さんが腹を固めて、今の農政に徹底的に抵抗する以外に生きる道はないと肝に銘じ、覚悟を決めるか」と参加者に問いかけ、19政治決戦への総決起を訴えた。

大会は、政府が「日米TAG(物品貿易協定)」と称する事実上の日米2国間FTA交渉について、日本農業にさらなる打撃を与えないものとし、また交渉内容の開示するよう政府に求めることなどを列挙した特別決議を採択した。運動方針には、昨年12月の国連総会での「小農の権利を守る宣言」採択(日本は棄権)や今年からの国連「家族農業の10年」開始の意義を踏まえ、生産費を基準とした所得補償制度の再確立、国の責任でのコメの生産調整実施、廃止された「種子法」に代わる公共品種を守る法律の制定、「担い手」対策の意味を含めて集落営農法人の組織化を進めることなどが盛り込まれた。

大会には初日に社民党から吉川元・幹事長が来賓あいさつ。「中山間地の農業はこのまま行くと恐らくあと10年で壊滅的になってしまう」と述べ、農政の抜本的転換は急務と強調した。

参院選比例代表予定候補の吉田忠智前党首も「農業・農村、そして食糧、種を守るために反転攻勢をかけていかなければならない」とあいさつし、政治決戦勝利に向けた支援を訴えた。

(社会新報2019年2月6日号より)