被害者の側に立たない原賠法改正案

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被害者の側に立たない原賠法改正案

カテゴリー:文部科学 脱原発 投稿日:2018-11-30

■衆院文科委で吉川元・幹事長 原子力損害賠償法改正案が21日の衆院文部科学委員会で可決され、翌22日の本会議を通過した。法案は、損害賠償を電力会社の無限責任とすることは維持しつつ、福島原発事故の損害賠償額が現時点でも8・6兆円に上っているにもかかわらず、賠償に備える上限額を1200億円のままとし、1条目的規定の「原子力事業の健全な発展」の文言もそのままという、損害賠償の枠組み見直しを先送りするもの。社民党の吉川元・幹事長は同日の委員会で「原子力事業者の存続や発展なくして補償なしという建てつけは被害者の側に立つものとは言えない」として政府案に反対。社民、共産両党は立憲提出のADR(損害賠償紛争解決)センターの和解案の原則受諾義務を定めた修正案に賛成、国民提出の修正案に反対。

吉川幹事長は賠償措置額据え置きについて「リスクに十分対応できない、保険が成立しない事業が原子力発電だと言っているようなもの」と指摘。制度見直しの観点として柴山昌彦文科相が「事業者の予見可能性の確保」に言及したのに対し、「有限責任ということにつながってしまう」と懸念を示した。原子力委員会専門部会が「事故発生リスクの低減が見込まれる」ことを据え置き理由に挙げたことにも疑問を呈した。

(社会新報2018年11月28日号より)