前川氏講演調査は教育への介入

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前川氏講演調査は教育への介入

カテゴリー:文部科学 投稿日:2018-04-13

吉川元■吉川元・幹事長が衆院文科委で追及 前川喜平前文部科学事務次官が名古屋市立中学校で行なった講演を文科省が調査し、内容だけでなく謝礼の額などまで調べていた問題で、社民党の吉川元・幹事長は3月30日の衆院文科委員会でその法的根拠などを追及し、「『多様な教育が必要』というなら、なぜ前川さんの問題にここまで固執するのか。多様な教育を行なう現場に文科省が介入している」と批判した。

吉川幹事長はまず、「そもそも今回の事案はどのような法令のどの条文、あるいは学習指導要領のどの部分に違反する可能性があったと考えて行なわれたものか」と質問。これに対し文科省の高橋道和初頭中等教育局長は、同省事務方前トップの発言の持つ社会的影響力、違法天下り問題で本人が停職相当の処分を受けたことなどを考慮したとして「同法(地方教育行政組織法)53条に基づき授業の内容につき事実確認を行なった」と述べたものの、吉川幹事長の質問には正面から答えないままだった。

吉川幹事長が再度ただすと、高橋局長は「この調査はあくまでも指導・助言・調査を行なう必要があるかを判断するための事実確認であり、必ずしも学習指導要領等の具体的な条文等を個別に特定した上で調査を行なったものではない」と答え、学習指導要領総則の「本人の心身の発達等に十分考慮して教育課程を編成する」に言及。吉川幹事長は「今の局長の話だとどんな授業にも全て該当する」と述べ、具体的な参照規定に当たらないとした。

加えて吉川幹事長は、現行教育基本法16条の「教育は、不当な支配に服することなく、この法律および他の法律の定めるところにより行なわれるべきもの」を引いた上で、「(今回の事案が)仮に不当な介入だったとすれば、法律に基づいて行なわれていたとしても、これは許されないことか」と政府の見解をただした。高橋局長は「論理的には教育行政機関が行なう行政でも不当な支配に当たる場合もあり得る」とした上で、「法律の趣旨にのっとり、その定めにより適正に行なわれる行政機関の行為は不当な支配に当たることはないと考える」と答え、法律の裏打ちがある行為ならば行政機関は教育への不当な支配の主体にはならないとの認識をにじませた。

続く4月4日の文科委でも吉川幹事長は、政府が「法令に基づき行なった」(林芳正文科相)とする前川前次官の講演の調査についてただした。政府側は前次官を授業の講師に招いたことそのものが地教行法48条の「助言」の対象になったことを明確に認めた。

高橋局長が「48条(1項)に基づく指導・助言、援助を行なうかどうかを判断するために(同法)53条に基づく調査を行なった」とするのに対し、吉川幹事長は「(前次官の講演が)48条1項に当たり得るという判断の下に行なったのか」と確認を求めたが、局長は「指導・助言等を行なうかどうか判断するため行なった」との答弁を反復。

そこで吉川幹事長は「何らかの指導・助言が必要になるかもしれないという認識で53条に基づいて調査を行なったということでよいか」とダメ押し。局長は「授業内容については法令に違反するものではないと確認した」とした上で「講師が停職相当だったことについては校長は知らなかったということだったので、そういったことについてはもう少し慎重に検討した方がよかったのではないかということを助言した」と答弁。吉川幹事長が「48条に基づき助言をしたということか」とただしたのに対し、局長は「48条に基づく助言」と認めた。吉川幹事長は「明らかに教育に対する文科相の不当な介入と思わざるを得ない」と指摘した。

(社会新報2018年4月11日号より)