裁量制で与野党攻防 安倍首相ついに白旗

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裁量制で与野党攻防 安倍首相ついに白旗

カテゴリー:労働 投稿日:2018-03-02

労働時間再調査の実現に向けてガンバロー(2月23日)

(写真)労働時間再調査の実現に向けてガンバロー(2月23日)

集会で発言する吉川元新幹事長(2月26日)

(写真)集会で発言する吉川元新幹事長(2月26日)

社民、立憲、民進、希望、共産、自由の野党6党は2月23日の与野党幹事長・書記局長会談で、与党側に対し、①厚生労働省の「13年労働時間等総合実態調査」の再実施を含む裁量労働制に関する再調査②「働き方改革」関連法案の提出見送り③佐川宣寿・現国税庁長官らの証人喚問  を要求した。

その後、参院議員会館で野党合同院内集会を開催。社民党を代表して登壇した又市征治幹事長(同日現在)は「議院内閣制の下で内閣、政府の側に問題ある対応があれば、与党がたしなめたり注意したりするのは当たり前のこと」と述べ、与党の誠意ある対応を求めた。

与党側は同26日、野党側に対して、裁量労働制について「与党としても、引き続き国民に対する説明責任を果たすよう(政府に)申し入れていく」などと回答。法案提出の是非や再調査については答えなかった。一方で安倍首相は同日、法案の扱いについて「与党の事前審査がある」と答弁し、政府と与党で責任をなすりつけ合う格好となった。

野党側の求めで同日、再度の与野党幹事長会談が行なわれたものの、その休憩中に、衆院財務金融委員会を職権で開会し予算関連法案の審議を行なおうとする与党側の動きが発覚。野党側の抗議で同委員会は流会し、翌27日の国会は空転した。

野党側は同日、国会内で再び合同集会を開催。社民党の吉川元・新幹事長は、幹事長就任後の初仕事が深夜に及ぶ与野党の攻防となったのは光栄としつつ、経団連の榊原定征会長が26日の記者会見で再調査は必要との認識を示したことに言及し、「今や再調査は必要ないと言っているのは政府・与党のみ」と指摘した。

野党側からの再回答要求に対し、与党側は27日、データは「精査を行なっているところ」だとして事実上の再調査拒否を回答。法案の扱いについても「現在与党内で審査」「最終的には政府の責任において判断」とし、これも事実上、政府の提出方針を容認した。

安倍首相は同28日の予算案衆院通過後、裁量労働制関連部分を提出予定の働き方改革法案から削除することを表明した。ついに白旗を掲げた格好だが、高度プロフェッショナル制度(労働時間規制の適用除外)の創設を盛り込むことなどについては譲らぬ構え。

(社会新報2018年3月7日号より)