農業企業支配許さず家族農業守る

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農業企業支配許さず家族農業守る

カテゴリー:農林水産 投稿日:2017-12-15

全日農第57回定期大会

全日農第57回定期大会

全日農(全日本農民組合連合会、斎藤孝一会長)は11月28、29の両日、東京・林野会館で第57回定期大会を開き、安倍農政が推進する「TPP(環太平洋経済連携協定)を前提とし、さらにTPPをテコとした国内農業の構造的改革、企業による農業・食料の支配への動き」に反対することを柱とする2018年度運動方針(案)を満場一致で可決、決定し、「家族農業の圧殺は許さないと自信を持って訴え続けていく」との大会宣言を採択した。

初日のあいさつで斎藤会長は、「国難突破」を掲げつつ農業問題が争点とならなかった先の総選挙に触れて「一番いま日本国家にとって危ないのは何か。足元の農業の問題だ」と指摘。

その上で、新自由主義改革派の考えは、「攻めの農政」と称して家族農業に退場を迫るというものであり、これはコメの生産調整(減反)や総合農協の廃止を通じて、最後は「農地法の解体」にまで至ることであり、外資による優良農地取得や低賃金の外国人農業労働力の導入さえ視野に入っていると思われると警告した。

続けて斎藤会長は、北海道や沖縄、新潟などの選挙結果を見れば自民党への支持は磐石とは言えないこと、行き過ぎたグローバリズムが世界中で引き起こしている格差・貧困や環境の問題は農業問題と通底するものであることを指摘し、戸別所得補償制度導入を掲げた2009年総選挙で自民党政権が倒れた事態の再現は十分あり得ることだと強調。ヨーロッパでは「地方の力が国の根幹であるエネルギー政策を転換させた」と述べ、地域からの取り組みこそが展望を切り開くと訴えた。

その実践例として、「農家一人ひとりが発電事業者になる」との発想に立って、青森県農民組合が推進する「メガソーラー」発電事業の取り組みを紹介した。

大会2日目には「ソーラーシェアリングの基礎知識と実務」と題して日本ソーラーシェアリング協会顧問の山本精一さんが講演。農地の上に太陽光パネルを設置し、日照を確保することで、営農と売電の両方から安定収入を得ることを目指すソーラーシェアリングの実績と可能性を解説した。

初日には社民党から福島みずほ副党首が来賓あいさつ。5月に88歳で死去した全日農の谷本巍(たかし)名誉会長(元会長、元社会党・社民党参院議員)について、09年政権交代の前年に策定された「瑞穂の国の農業再生プラン」は谷本さんの全面的な後押しで作られたことを紹介。また、農政の現状について「いま農水省が経産省みたいになっているのはおかしい」と訴えた。初日の議事終了後には、林野会館で「谷本たかしさんを偲(しの)ぶ会」がしめやかに開かれた。

(社会新報2017年12月6日号より)