「安倍政治」の是非と憲法が問われている

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「安倍政治」の是非と憲法が問われている

カテゴリー:倫理選挙 投稿日:2017-10-25

日本記者クラブ党首討論会 吉田忠智党首が政策を訴え

日本記者クラブ党首討論会 吉田忠智党首が政策を訴え

日本記者クラブ主催の党首討論会が8日、都内の同クラブで開かれ、与野党8党の党首が議論を戦わせた。社民党の吉田忠智党首は冒頭発言で、「憲法を活(い)かす政治」と記した色紙を掲げながら、「今回の選挙は安倍政治の是非、憲法が問われる大事な選挙。社民党は国民生活最優先、憲法を活かす政治を掲げ、子ども、若者、女性、高齢者、障害者など社会的に弱い立場の皆さんの政策をしっかり掲げて戦う」と訴えた。

党首間質疑で吉田党首はまず、安倍晋三首相(自民党)に質問。辺野古の新米軍基地建設について「新たな軍港を備えた基地を造るということだから100年、200年沖縄に負担を押しつけるもの」と述べた上で、この間の沖縄県知事選や名護市長選、各種国政選の結果を見ても新基地反対の県民意思は明らかだとして、再考を求めた。

これに対し安倍首相は「普天間(基地)を固定化してはならない」「できる限り沖縄の負担軽減のために力を尽くしていく」と、もはや県民には全く通用しない使い古しの決まり文句を繰り出すだけだった。

吉田党首はまた、「森友・加計疑惑」について首相に質問。首相の説明に国民は納得していないとした上で「その最大の原因はそれぞれのキーパーソンが国会に来て発言していないこと」と指摘し、首相の妻の昭恵氏、加計学園の加計孝太郎理事長の国会招致を決断すべきだと迫った。

首相は「私が関わっていたということを明確に述べた人は誰もいない」と回答。昭恵氏に関して「妻については私は代わって話をさせていただいている」、加計理事長に関して「ご本人が決めること」とし、国会への招致を事実上拒んだ。

吉田党首は希望の党の小池百合子代表にもただした。希望が「30年までに原発ゼロ」を掲げたことで、原発問題が大きな争点となったことを評価。その上で、原子力規制委員会が東京電力柏崎刈羽原発6、7号機について新規制基準に適合するとの判断を示したことへの考えを尋ねたのと併せ、「再稼働についてもだめだというふうに方向を修正していただきたい」と述べた。

小池代表は柏崎原発について「規制委員会が総合的に判断」と述べるのみ。さらに「再稼働という観点については是としている」と明言した。また記者からの質問に対して、核燃料サイクル(プルトニウム利用政策)について「総合的に考えていくべき」とし、明確な考えを示さなかった。

憲法に「自衛隊を明記する」との自民党の改憲公約に関する記者からの質問に対し吉田党首は、集団的自衛権を行使し、対象が広げられた米軍への後方支援を行なう自衛隊に憲法上の根拠を与えるものになるとして「自衛隊を書き込むことは決してそれだけでは済まない」と警鐘を鳴らした。

首相の攻撃的姿勢と不問に付される問題

この日の党首間および記者との質疑応答では、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核・ミサイル危機への対処をめぐる首相の攻撃的な姿勢が目立った。

首相は「核保有国が日本という非核保有国を脅かしたのは初めてのこと」と述べ、従来の政府見解と異なり北朝鮮を「核保有国」と認定した。

その上で、首相は「(武力行使を含む)全ての選択肢がテーブルの上に乗っている。われわれはこの米国の姿勢を支持している」と強調。ブッシュ政権時に北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しした(先制攻撃の可能性を示唆した)ことで、北朝鮮は日本にアプローチしてきたとの認識を示し、「これは圧力の成果と言える」と自負した。

また核兵器禁止条約への不参加について「北朝鮮の危機がある中において、核抑止力を否定してしまったら日本の安全を守り切ることはできない」と述べた。

しかし、米朝間の核戦力をめぐる力関係はかつての米ソ間のように「相互確証破壊」の関係が働くとは言えない(米国の核攻撃への核による反撃は現実的に不可能)という不均衡なものであること、また、北朝鮮の日本への攻撃について本当に「核の傘」による抑止が機能するか分からないことから、全ては米国の攻撃意思の胸三寸次第という現実は不問に付され続けた。

(社会新報2017年10月18日号より)