利用者負担引き上げは生活破壊

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利用者負担引き上げは生活破壊

カテゴリー:社会保障・税 投稿日:2017-06-09

■介護保険法改正案が成立、福島みずほ副党首が批判

一定の所得以上の高齢者(単身者で年金収入等年340万円以上、約12万人)の介護保険の利用者(自己)負担を3割に引き上げる、40~64歳の保険料算定に「総報酬制」を導入し相対的に賃金の高い層の負担を引き上げることなどを柱とする介護保険法改正案が5月25日の参院厚生労働委員会で可決され、翌26日の本会議で可決、成立した。希望の会(自由・社民)、民進、共産が反対した。希望会派の福島みずほ議員(社民党副党首)は「政府は2015年の法改正で介護保険の本人2割負担を強行した。その十分な検証をしないまま今回さらに負担を拡大しようとしている。年金収入340万円以上の人々を『現役並み』と一方的に位置付け、3割負担を強いるのは生活破壊そのもの」と強く批判した。

25日の質疑で福島議員は、自己負担引き上げの背景にある16~18年度の3年間で社会保障費の伸び(自然増)を1・5兆円に抑えるとの数値目標について、「ベッドに合わせて脚を切る」ような話だと指摘。これに対し財務省の杉久武政務官は「着実に達成できるよう社会保障の効率化、適正化に取り組む」と答弁し、財政当局として圧力をかけることを当然視した。福島議員は、「骨太方針」に基づく「改革工程表」の方向性に沿い「軽度者」(要介護1、2)向け生活援助サービスなど訪問介護の保険からの切り離しあるいは介護報酬切り下げが行なわれることに警戒感を示した。

福島議員はまた、「介護職員処遇改善加算」のあり方について、1人の職員の賃金にだけ反映させその他の職員の賃金を上げなくても問題ないということになっているとして「介護労働者全体の労働条件改善を目的に行なわれていることを考え、幅広く公平に処遇を改善すべき旨の通達やガイドラインを出すべきではないか」と提言。厚労省の蒲原基道老健局長は「賃金は労使間で自律的に決定すべきもの」と答え、分配は当事者間の問題との見解をかたくなに繰り返した。

(社会新報2017年6月7日号より)