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旧陸軍の暴走許した歴史に学ぶべき

カテゴリー:外交安保 投稿日:2017-05-12

「陸自総隊司令部」新設に反対して照屋寛徳衆院議員

陸上自衛隊の「総隊司令部」を朝霞駐屯地(東京都練馬区)に新設することなどを盛り込んだ防衛省設置法改正案が4月25日の衆院安保委員会で可決された。社民、民進、共産の各党が反対した。

陸自総隊司令部は、陸自全体の作戦指揮を執る初の司令部となる。総隊制への移行に伴い、今ある5方面隊は全て総隊に所属するようになる。現在の中央即応集団は解散し、これに属する中央即応連隊などは総隊司令部の直属部隊となる。

社民党の照屋寛徳議員は同21日の安保委で、現在の(それぞれの総監部を司令部とする)5方面隊体制について「旧陸軍が暴走し戦争に突き進んだことを教訓に、陸自の権限集中を避けた産物」「5方面隊に分けることで文民統制の強化につながっている」との指摘を紹介し、権限集中の懸念に対する見解をただした。

これに対し稲田朋美防衛相は、「統合運用」により全国レベルで機動的に事態に対処することが可能となるとした上で「部隊の一元的運用を可能とする総隊を設置しても、これまでと同様にシビリアンコントロールは十分確保されており、旧憲法下のように陸軍が暴走するといったような指摘は当たらない」と、南スーダンPKOの「日報」隠し問題が発覚したばかりとは思えない答弁ぶりだった。

続けて照屋議員は、在日米陸軍司令部がある神奈川県座間市に「日米共同部」が置かれることについて、1963年に暴露された、憲法を否定する有事体制シナリオである「三矢研究」に言及しつつ、「日米統合作戦司令部や日米共同作戦を想定した三矢研究を想起させるもの。日米協力が一線を越えるのではないかと危惧する」と述べ、何らかの歯止めが必要なのではないかと質問。

防衛省の高橋憲一・整備計画局長は共同部の設置について、現在、座間に置かれた中央即応集団司令部が担っている米陸軍司令部との連携を総隊新設後も確保し、シームレスな(継ぎ目のない)調整を行なうためのものだとして、「おのおの独立した指揮系統にしたがって対処することに何ら変わりはない」と答弁。共同訓練がひんぱんに実施され、日米「同盟調整メカニズム」の運用が具体化しつつある実態には触れるべくもなかった。

(社会新報2017年5月10日号より)