精神障害者の監視強化やめよ

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精神障害者の監視強化やめよ

カテゴリー:社会保障・税 投稿日:2017-04-28

■「やまゆり園事件」を受けての法改正で福島みずほ副党首が追及

神奈川県相模原市の障害者施設での殺傷事件を契機に政府が提出し、都道府県に対し全ての(知事らが決定する)措置入院者について「退院後支援計画」の作成を義務づけることを柱とする精神保健福祉法改正案の審議(参院先議)で、政府は13日、「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行なう」と事件再発防止を掲げた法案趣旨説明文の一部を削除を行なった。

これを受けこの日の参院厚労委員会は紛糾。会派「希望の会(自由・社民)」の福島みずほ議員(社民党副党首)は「削除を厚労省が言い出したことそのものが法案の欠陥を明らかにした。実はこの法案が再発防止のために作られたという問題点を払しょくできていない」と述べ、法案提出をやり直すよう要求した。

まるで犯罪者予備軍

これに先立つ11日の委員会では、この削除のきっかけとなった警察の関与問題がクローズアップされた。福島議員は、保健所設置自治体が関係者とつくる「精神障害者支援地域協議会」の「代表者会議」に警察が参加することに関連して、措置入院者の薬物使用情報の共有を同会議が方針としていた場合、退院(措置解除)された精神障害者が転居したら転居先の警察に情報が行くのかと質問。

これに対し同省の堀江裕・障害保健福祉部長は「転居先の代表者会議での決定の内容に従う」と答弁し、警察への情報伝達を認めた。福島議員は、精神障害者を犯罪者予備軍扱いして治安の観点から監視するものだと強く反対を表明した。

13日の質疑で福島議員は、地域協議会の(支援計画作成に当たる)「個別ケース検討会議(調整会議)」についても警察の関与はあるのかと質問。同部長は「防犯の観点から警察が参加することはない」とした上で、自殺防止などを例示して「警察が参加するのは医療その他の援助関係者に該当する場合に限られる」「患者支援を目的に医療その他の援助関係者が参加を求めた場合に限られる」と答え、個別ケース会議にも警察が加わることがあり得ることを認めた。その上で、同会議は支援計画に基づく支援内容等の協議を行なうものなので「協議会の場で警察に情報提供が行なわれることはない」と防戦した。

納得しない福島議員は「支援計画が終了した時点で計画の過程で警察に伝達された情報は破棄されるのか」と追及。同部長は「適切に破棄されるもの」といったん述べた後、答弁を訂正するとして「警察において適切に判断されるものと考える」と述べ、わざわざ「破棄」を修正。福島議員は「いったん措置入院したらずっと警察に記録が残り、未来永劫(えいごう)見張られるという不安を払しょくできない」と述べ、支援の名の下に事実上の保安処分を実行するものだと懸念を示した。

(社会新報2017年4月26日号より)