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生前退位は皇室典範改正で

カテゴリー:内閣法務 憲法 投稿日:2017-03-03

■天皇の退位等についての社民党の見解(案)公表

又市征治 社民党の又市征治幹事長は15日、参院議員会館で記者会見し、同日開いた党「天皇の退位等に関する検討委員会」(吉田忠智委員長)で大筋取りまとめられた「天皇の退位等についての見解」(案)を公表した。天皇生前退位は現明仁天皇に限定して認めるのではなく、将来の天皇も対象とする制度とし、一代限りの特別法ではなく皇室典範改正により定めるべきだとするもの。党見解は正式決定後、衆参両院の正副議長に報告する。骨子は以下のとおり。

①天皇の退位を認めるべき=天賦人権は天皇「個人」に対しても当然保障されるはず。天皇の地位やその地位が世襲であることによる人権の制約は、「退位の自由」がない限り正当化できない。天皇の人権という観点から退位を認めるべき。

②将来の全ての天皇を対象とする一般的な恒久的な制度として考えるべき=天皇の人権の観点からは一代限りとする必然性はない。退位の事由が現天皇の「個人」的な事情に起因するということになるのは適切ではない。要件に合致する将来全ての天皇に適用される制度とすべき。また、退位の政治利用や強制退位、恣意(しい)的な退位の可能性も防がねばならず、退位の具体的な基準・手続きを事前に明白に定めるべき。

③皇室典範改正によるべき=憲法2条は皇位について「国会の議決した皇室典範の定めるところにより」とあえて特定の法律名を指定し、皇室典範改正で一般的な基準と手続きを定めるよう要請していると認められる。皇室典範改正によらない特別法は憲法の重みを無視するもの。一代限りの特別法は法の一般性の原則に反するおそれがある。

④議員立法を目指すべき=憲法1条は天皇に地位について「主権の存する日本国民の総意に基づく」と定めており、天皇の退位等の諸問題については、国民の「総意」を反映すべく全会派の意見や世論の動向も注視し、「総意」を立法府において形成すべき。各党各会派による「全体会議」での議論を経て、閣法ではなく議員立法によって天皇の退位実現を目指すべき。

⑤今後の議論について=憲法は皇位継承について男女の区別や男系・女系の区別をしていない。女性・女系天皇を積極的に認めるべきで、議論を行なうべき。

(社会新報2017年2月22日号より)