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憲法コラム

第92回(7月15日):照屋寛徳 議員

「護憲、改憲、論憲、加憲、創憲、壊憲」。あなたは、どっち…

照屋寛徳

 7月4日に公示された参議院選挙の投開票日が間近に迫ってきた。

 今度の参議院選挙、いろんな争点が予想され、マスコミ報道でも様々に語られ、議論されている。曰く、安倍政権の経済政策「アベノミクス」(いわゆる三本の矢)、憲法改正問題、原発政策、消費税導入、雇用問題などなど多岐に及ぶ。でも、長引くデフレ不況下で苦しむ多くの国民、不安感、倦怠感、深い失望感に苛まれている多くの国民(有権者)に向かって、「正しいことを大声で」連呼するだけでは、参議院選挙の争点も意義も伝わらないと思う。政党的常套句だけを並べて、「候補者カー」「政策宣伝カー」で絶叫してもダメだ。

 現に、安倍総理や自民党、日本維新の会などが主張する憲法96条「先行改憲」は各マスコミの世論調査で「賛成」より「反対」が多い。原発再稼働についても「賛成」より「反対」が圧倒的多数だ。だが、参議院選挙の投開票前予想報道によると、自民党・公明党の与党が圧勝しそうな勢いだといわれる。原発再稼働と原発輸出を推進する「死の商人」と化した自民党、96条「潜行改憲」で憲法改憲や自主憲法制定を訴える自民党が、参議院選比例区の投票先予想で最多なのだ。嗚呼(アア)――。何故だ、それでいいのか?

 そこで、参議院選投票直前に、今一度憲法について、お互いに想像力を働かせてみよう。憲法に対する立場、考え方についての造語的表現として、護憲、改憲、論憲、加憲、創憲、壊憲がある。最近では、活憲、知憲などの造語(用語)もあるようだ。国政政党的には、社民党・共産党は護憲だ。民主党やその他の政党の一部国会議員にも護憲の者がおる。自民党・日本維新の会は改憲だ。そして、公明党は政党としては加憲の立場だが、「改憲」論者も多い。民主党は、論憲、創憲が基本的政策だが、実態は護憲から改憲までてんこ盛り、ごった煮状態だ。そして、日本維新の会共同代表の石原慎太郎は、「改憲」では甘っちょろい、現行憲法をぶち壊す「壊憲」だ、と物騒に吠えている。最近良く耳にする知憲とは、安倍総理や自民党が「96条先行改憲」を声高に叫んだ事で、逆に96条改正反対が増えたように、憲法自体をきちんと知るべきとの意味を込めて「知憲」を唱えている。活憲は、現行憲法を「守り活(生)かす」という意味のようだが、もともと憲法を守る義務は国民にはない。憲法は、本来国民が国家権力者を縛るものだ。逆に、国家権力者は法律を制定して、国の意思で国民を縛っている。これが立憲主義だ。もっとも、憲法の理念を活(生)かす努力を怠らないという信念は十分に理解し得る。

 さてさて、気になる事がある。参議院選挙投票を直前にして、憲法9条、96条の改憲にはどの世論調査でも「賛成」より「反対」が多い。一方で、改憲自体への「賛成」が「反対」を上回り続けている。それって一体どう考えれば良いのだ。そのヒントを考えてみた。

 久留米大学の石川捷治教授は「今は、期待された政権交代でも社会が変わらない。特定の条文を変えたいというよりも、現状を打破したい、憲法を変えれば、社会が良くなるといった希望的な空気みたいな改憲論がある」、それを「改憲神話」と呼んでいる、と解説する(7月2日付東京新聞)。なる程、なる程。「改憲神話」か。

  原発の「安全神話」も在沖米軍基地の「抑止力神話」も崩壊した。「改憲神話」もすぐに崩壊するだろう。参議院選挙では、「護憲」を真っ当に考えている社民党候補に一票一票を、是非!

(2013年7月15日 社民党国対委員長 照屋寛徳)


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