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憲法コラム

第67回(6月3日):照屋寛徳 議員

日本国憲法の中で一番大事な条文は13条である

照屋寛徳

 5月30日、参議院議員会館で開催された「13条を考える会」主催の勉強会で、樋口陽一氏(現在、東京大学名誉教授、東北大学名誉教授)の講演を聞いた。樋口氏は、先日結成された「96条の会」(護憲派・改憲派憲法学者、政治学者らの組織)の代表でもある。

 5月30日の勉強会における樋口氏の演題は「憲法13条について〜比較憲法の観点等を踏まえて〜」であった。講演の中で樋口氏は「日本国憲法の中で一番大事な条文は13条である」と明解に論断した・

 樋口氏の講演内容を詳細に伝えるのは、紙幅の都合で遠慮する。先ずは、勉強会を主催した「13条を考える会」について触れる事にしよう。「13条を考える会」は、参議院議員有志を中心に呼びかけられ、今や国会における10の政党・会派のうち、8つの政党・会派の衆参国会議員が名前を連ねる超党派議連である。もちろん、私も会員だ。

 「13条を考える会」の設立趣意書には「この憲法13条は、すべての国民1人1人がかけがえのない尊厳を持つ存在として尊重されなければならないことと、そのための包括的な人権規定である幸福追求権を定めたものであり、憲法の中で最重要の価値を定めた条文です」と記されている。そのうえで、憲法遵守・擁護義務を負う立法府の一員として、「依って立つところの党派的政治信条や改憲や護憲等を巡る諸見解を超えて」憲法13条についての理解を深める目的等で結成されたのが「13条を考える会」である。

 ご承知のように、日本国憲法第13条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定する。

 憲法第13条は、基本的人権の保障の現実的な前提としての個人主義の原理を宣言している。この場合の個人主義とは、「人間社会における価値の根源が個人にあるとし、なににもまさって個人を尊重しようとする原理をいう。ここで個人とは、人間一般とか、人間性という抽象的な人間ではなくて、具体的な生きた一人一人の人間をいう」(宮澤俊義著『全訂日本国憲法』日本評論社)。

 ところで、自民党「日本国憲法改正草案」では、日本国憲法第13条について「全て国民は、人として尊重される」と規定する。要するに、「個人」としての尊重から「人」としての尊重に、「公共の福祉」に反しない限りの「最大」の尊重が、「公益及び公の秩序」に反しない限り、「最大限に」尊重と改悪されるのだ。

 さて、「憲法番外地」のわが沖縄では、安保体制と米軍優先の中で、憲法第13条の理念は保障されていない。ウチナーンチュは、「個人」として尊重されず、「人」としても扱われず、単なる「モノ」として扱われている。だから、ウチナーンチュは怒っているのだ。憲法の理念の実現を求めているのだ。ウチナーンチュにも憲法第13条の幸福追求権を保障せよ!そして、ウチナーンチュの生きている人間としての尊厳を守れ!嗚呼、今日はいつになく絶叫調になってしまった。

(2013年6月3日 社民党国対委員長 照屋寛徳)


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