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憲法コラム

第63回(5月29日):又市征治 議員

憲法「前文」が全面改悪されている―自民党の「壊憲」内容(1)―

又市征治

@ 現憲法は、先の大戦によって日本人310万人、アジアで2000万人以上の尊い命が奪われ、広島・長崎が原爆に見舞われ、全土が焦土と化した未曾有の犠牲と深刻な反省の上に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意」すると謳っている。

ところが自民党「改憲草案」(以下「改憲草案」)は、「我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し」と、時の国家権力が侵略戦争を引き起こし、国民もこれを止め得なかった歴史的教訓に目をつむり、政治の暴走であった戦争と自然災害を意図的に同列に扱って政治責任を回避し、その上で「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守」ることを強調している。

A 現憲法は、「主権が国民に存する」と宣言し、「国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基く」ものであると謳っている。

ところが「改憲草案」は、「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家」であると天皇を「元首」に祭り上げた上で、「国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される」と、国民主権の原理を薄め後退させるとともに、「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」と、国民に自立自助を求めている。

B このように自民党「改憲草案」の前文は、現行憲法の恒久平和主義・国際協調主義・平和的生存権の確認や国民主権と基本的人権の尊重を大きく後退させ、あとの条文で「国防軍」の設置と「集団的自衛権の容認」、そして基本的人権の制限につなげていこうとしている。

(2013年5月29日 社民党幹事長 又市征治)


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