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憲法コラム

第51回(5月15日):又市征治 議員

過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります

又市征治

 1995年8月15日、村山総理大臣(現:社民党名誉党首)は、自社さ連立政権の閣議決定に基づいて声明を発表した。いわゆる『戦後50年村山談話』である。

 特にその中で、日本が「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」たことを「疑うべくもないこの歴史の事実」とし、「痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ち」を内外に表明したのである。

 この歴史認識は、その後の内閣で踏襲され、日本政府の「公式の歴史的見解」として内外から高く評価され、外交の基本とされてきた。

 ところが、最近、安倍首相自身がこの歴史認識を覆す発言を繰り返している。

 まず、4月22日の参院予算委で村山談話を「安倍内閣としてそのまま継承しているというわけではない」と答弁し、23日には「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と述べ、また24日には、麻生副総理ら閣僚3人の靖国神社参拝に中国や韓国が反発していることに関して、「国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前だ。わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない。」と胸を張った。

 これら一連の発言に世界から批判の声が上がった。特に米議会調査局が今月1日付の報告書で、首相が「強固な国粋主義者」として知られ、「帝国主義日本の侵略やアジアの犠牲を否定する歴史修正主義にくみしている」と指摘され、さすがに安倍首相も動揺し、発言の修正を試みている。

 「後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」(1985年にドイツのワイツゼッカ−大統領が敗戦40周年に当たって連邦議会で行った演説の次の一節)。過去に目を閉ざした安倍首相が「戦後レジームからの脱却」と称して憲法改悪に邁進する姿勢に、その危険性を感じざるを得ない。

(2013年5月15日 社民党幹事長 又市征治)


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