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憲法コラム

第49回(5月13日):照屋寛徳 議員

9条が あるから入る 自衛隊

照屋寛徳

 社民党の自衛隊に対する考え方を辿ってみる。村山政権発足後の社会党(当時)第61回臨時全国大会(1994年9月)において、「『非武装』は党是を超える人類の理想」としつつ「自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊を認める」、と従来の「自衛隊違憲論」から「自衛隊合憲論」へと転換した。

 その後の自民党政権下で、日米新ガイドライン、周辺事態法、有事法制の制定、イラクへの派兵など、自衛隊の活動領域が専守防衛を超えて拡大し、米軍と自衛隊の一体化が進み、その装備・機能実態は「我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織」と言えなくなった、と社民党は評価するに至った。

 そこで社会民主党宣言(2006年2月)では「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指します」と路線転換した。私は、社会民主党宣言を纏める責任者だった。私個人は、当時も今も自衛隊は“違憲状態”を超えて「違憲な存在」と考えている。

 さてさて、「自民党憲法改正草案」によると、現行憲法9条1項の平和主義は残すが、9条2項の戦力の不保持と交戦権の否認は全面削除し、新たに9条の2で「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」となっている。

 要するに、「自民党憲法改正草案」は、自衛隊を国防軍とし、自衛隊の「普通の軍隊化」、自衛隊を米軍と一体となって世界中で戦争ができる「本物の軍隊」にしようとの狙いだ。

 安倍内閣は、「憲法96条改憲」を先行させ、「憲法9条改憲」を実現し、集団的自衛権行使容認へと憲法解釈を変更する事によって、日本を「平和国家」から「戦争国家」へ変えようと躍起だ。来る7月の参議院選挙は、96条改憲、9条改憲、集団的自衛権行使容認問題が争点になってくる。

 桜美林大学教授の早野透氏は「(安倍総理の改憲策動と対抗するには)社民党は平和憲法をたいせつに思う人々の幅広い結集軸にならなければならない。もうそれはこれまでのように、お題目として唱えるだけではいけない」と指摘する(『月刊社会民主』1月号)。

 早野氏は、「社民党はいいことを言っているのに、なぜ後退するのか、そこをとことん議論しなければならないときである」「社民党の政策は、ほんとに有権者の心に届いていただろうか……もっともっと人々の心に近づくことはできないか」とも書き記している。同年生で、尊敬する“心友”早野透氏の言葉をしっかり胸に刻みたい。

 おっとっと、横道にそれてしまった。今日のエッセーの表題である「9条が あるから入る 自衛隊」は、4月上旬の毎日新聞に載っていた川柳である。憲法9条を改憲し、自衛隊を国防軍に変えて入隊する人がおるのか、いないだろうなー。入隊志願者が激減すると、国防軍として徴兵制が待っているかも。

(2013年5月13日 社民党衆議院議員 照屋寛徳)


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