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憲法コラム

第45回(5月8日):又市征治議員

憲法と一般の法律を同列扱いすべきではない

又市征治

 4月28日の産経新聞によると、安倍首相は「憲法を国民の手に取り戻す。現行憲法自体、国民の手によってつくられたものではない。明治憲法は(君主が定める)欽定憲法だから、いまだかつて国民は自分たちの手で憲法をつくる経験をしていない。憲法は今、(改正発議には衆参両院の3分の2の賛成が必要という96条によって)永田町に閉じ込められている。その憲法を、鍵を開けて取り戻す。それこそが96条の改正だ」と語ったという。

 偏狭な国家主義者・安倍氏が首相だけに、そのデマゴギーを改めて批判する。

 第1に、憲法の遵守義務を負う首相が改憲を唱えること自体が憲法99条違反である。

 第2に、「連合国軍総司令部(GHQ)の憲法も国際法も全く素人の人たちが、たった8日間でつくり上げた代物だ」と言う。GHQの関わりは事実だが、日本側は何度も修正協議を行い、かつ国会と国民的論議を経て多くの国民が現憲法を歓迎した事実、つまり「憲法は国民のものである」ことを隠蔽している。

 第3に、憲法とは普遍の原理を定め政治権力を縛るものであり、96条は、その時々の与党多数派が一時的な勢いで変えてはならないとして3分の2という厳格な要件を定めたものだから、私たちは96条改正に反対する。安倍氏らが、一時的な勢いで、9条2項を削除して「国防軍」を設置し「集団的自衛権」を行使して戦争のできる国に転換しようとしたり、97条の「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」を削除して「公益及び公の秩序」の範囲内に斬り縮めようとする防波堤の役割が96条にある。

 憲法と一般の法律を同列扱いすることは泥棒に鍵を渡すようなものだ。

(2013年5月8日 社民党幹事長 又市征治)


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