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憲法コラム

第37回(4月29日):照屋寛徳 議員

野中広務氏の「96条改憲」反対論

照屋寛徳

 野中広務氏は、元自民党衆議院議員であり、元官房長官である。いわゆる、保守政治家の重鎮だ。政界は引退したが、今でも影響力は大きいものがある、と考える。

 私は、野中氏とは思想・信条は必ずしも一致せず、党も違う。だが、参議院議員初当選いらい懇意にしていた。敵愾心は全く抱かなかった。私と野中氏との国会議員としての交流を通したエピソードはいっぱいあるが、別の機会に書くことにする。

 さて、その野中氏が去る4月24日、沖縄の地元2紙とインタビューし、「主権回復の日」式典や憲法問題について語っている。以下、4月25日付沖縄タイムスに掲載されたインタビュー詳報から紹介しよう。

――自民党は夏の参院選で、憲法改正の発議要件を緩和する憲法96条改正を争点にする方針を明らかにしている。どのような見解を持っているか。

「憲法は、戦争の犠牲によって日本人が獲得した宝物だ。憲法の問題点を徹底的に論議すべきだ。だが、9条や20条(信教の自由)、21条(表現の自由)は決して変えてはいけない。96条改正で、簡単に憲法を変えるのは間違いだ。中身を論ぜず、要件から変えるのは姑息なやり方だ」。

野中氏はインタビューで、戦争、沖縄、「主権回復の日」式典、政治家の使命について、次のようにも語っている。

 「戦争での国民の尊い犠牲の上に、今の平和や憲法があり、沖縄の基地の犠牲の上に今日があることをいま一度考え直してほしい。このままでは死んでも死にきれない。政治家の一番の役割は戦争を起こさないことだ」。

 「『主権回復の日』は単なる記念式典ではなく、日本のあり方を変える局面になる。憲法改正への道につながる扉になるだろう」。

 この野中氏の改憲反対論を安倍総理に篤と聞かせたい。でも、聞く耳を持たないだろうなー。確信的自主憲法制定論者、改憲論者の安倍総理には、野中氏のような良心的保守の知恵は全くないのだ。改憲論者の安倍総理とは、敵愾心をもって闘うのみだ。

(2013年4月29日 社民党衆議院議員 照屋寛徳)


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