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憲法コラム

第173回(9月10日):照屋寛徳 議員

沖縄から安倍「独裁政治」を撃つ「民意の反乱」

【写真】名護市議選、稲嶺与党多数について報じる9月8日付沖縄二紙

名護市議選、稲嶺与党多数について報じる9月8日付沖縄二紙

 9月7日、沖縄県内24市町村で議会議員選挙が一斉に投開票された。沖縄におけるミニ統一自治体選挙である。

 今回のミニ統一自治体選挙は、身近な代表を選ぶと同時に、11月の県知事選挙に連動する沖縄の重大な「政治選択」「未来の選択」として位置付けられた。各候補ともそのような思いを抱き、期待を担って、それぞれの公約を掲げて選挙戦を戦ったであろう。

 とりわけ、全国的に注目されたのは名護市会議員選挙であった。選挙戦では辺野古新基地建設に一貫して反対する稲嶺進市長を支持する与党と辺野古新基地建設を容認・推進する野党が、多数議席の獲得を賭けて激突した。

 政府・自民党は金力、権力を総動員して露骨な選挙介入をおこなった。挙句、稲嶺市長与党候補の落選を図って刺客候補を擁立するなど、えげつない選挙戦を展開したのだ。

 名護市会議員選挙では、県選出・出身自民党国会議員や自民党本部派遣の国会議員らも動員された。もちろん、私も社民党公認・推薦候補の応援に走り回ったし、自民党本部や県連所属国会議員の応援それ自体を咎めるつもりは毛頭ない。

 言いたいのは、一地方議会議員の選挙でありながら、国政課題に直結する選挙として重要視されていた、ということである。

 結果は、定数27に対し、35人が立候補。辺野古新基地建設反対を公約に揚げた稲嶺市長与党は14人、辺野古新基地建設容認・推進派の野党が11人、公明党(辺野古新基地建設には反対する中立派)2人―が当選した。 

 「再三再四」という言葉があるが、名護市民が辺野古新基地建設反対の揺るぎない民意を示したのは、これで4度目(市長選2回、市議選2回)である。

 ところが、菅義偉官房長官は名護市議選の結果、辺野古新基地建設に反対する稲嶺市長与党が過半数を占めたことについて「市議選はその一点(建設の是非)だけの結果ではない。辺野古建設は粛々と進める」と記者会見で強弁している。

 江渡聡徳防衛大臣も9月8日の記者会見で次のように語っている。

 「7日に投開票された名護市議選で、同市辺野古への移設に反対の立場を取る当選者が過半数を占めたことについて、直接の言及は控えるとした上で『地域経済をはじめ、多くの施策について各候補者が主張し、争われたとも考えている。そうした結果であろうと私自身は受け止めている』と述べ、辺野古建設が大きな争点になった結果ではないとの認識を示した」―。(9月9日付沖縄タイムス)

 菅官房長官よ、江渡防衛大臣よ、何を寝惚けたことを言っているんだ。再三再四にわたり示された名護市民の揺るぎない民意を尊重し、実現するのがお前さん(大臣)たちの使命ではないか。しかも、菅官房長官は第二次安倍改造内閣で「沖縄基地負担軽減担当」という何ともおどろおどろしいインチキ肩書きまで拝命しているではないか。

 9月8日付琉球新報社説は「民意はまたも示された」「辺野古断念は理の当然だ」との見出しを付し、名護市議選の結果を受けて次のような論陣を張る。

 「2010年の市長選、市議選も含めると再三再四、建設拒否という地元名護の民意は示されているのだ。民主主義国家を標榜(ひょうぼう)するのなら、日米両政府は辺野古建設を断念すべきだ」

 「もし今回、野党が過半数を占めていたら、政府は躍起になって『名護市民の本音は建設受け入れだ』と言いはやしたはずだ。それを移設強行の論拠にしたであろうことは、想像に難くない。

 それなら今回、逆の結果が出たのだから、政府は『市民の民意は移設反対だ』と言明すべきだ。移設作業を中断するのが筋であろう。しかし政府は移設強行の姿勢をあくまで続ける構えだ。論理性はみじんもない」(中略)―と。

 「新聞は社会の木鐸たれ」との言葉があるが、名護市議選の結果を受けた多くのウチナーンチュの思いは、前記琉球新報社説のとおりだろう。

 言うまでもなく、わが国は民主主義国家である。民主主義社会を構成するうえで、大前提となるのは、国政(政権)運営における民意の尊重である。憲法の理念も民主主義の実現を謳っている。

 だが、安倍政権の対沖縄政策は対米隷従で、反民主主義的な独裁政治そのものである。独裁政治の下では、民衆の意思表示=沖縄の選択は抑圧または無視され、反対派は何らかの形で排除される。

 概して、独裁政治体制下では法治主義と政治的自由は否定されるものだ。結果として、民衆(個人)の自由と権利は著しく制限もしくは排除される。

 私は、8月27日の憲法コラム「民意を無視する政権と政権を拒否する沖縄」で、ウチナーから安倍政権への「民意の反乱」が起こっている、と書いた。そのことは、9月7日に投開票された名護市議選の結果でも明白になった。

 「辺野古新基地建設反対」というウチナー発の安倍政権への「民意の反乱」は間断なく続いているのだ。

 もし、安倍政権が「辺野古新基地建設反対」の民意を無視して独裁政治を続けるならば、ウチナーとウチナーンチュの怒りは、在沖米軍基地の全面撤去運動へと向かい、日米安保体制そのものを揺るがすだろう。そのような予測が確実に立つ。

 それにしても、名護市民をはじめとするウチナーンチュの民意を無視し、辺野古新基地建設を前提にしたボーリング調査を強行する安倍政権は「苛政は虎よりも猛し」だ。

 11月の知事選に向け、ウチナーンチュに襲い掛かる虎より恐い安倍政権と仲井真知事の「苛政」と闘い、ウチナーに真の民主主義を取り戻したい。いや、必ず勝って取り戻す。

 「明日の天気は変えられないが明日の政治は変えられる」(故岡野加穂留・元明治大学学長、政治学者)ことを信じて。

 いや、信じて待つだけの「政治業者」としてではなく、ウチナーうまんちゅ(御万人)と共に主体的で創造的な闘いをつくり出す政治家として、その使命を果たしたい。

(2014年9月10日 社民党衆議院議員 照屋寛徳)

 

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