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憲法コラム

第171回(8月27日):照屋寛徳 議員

民意を無視する政権と政権を拒否する沖縄

民意を無視する政権と政権を拒否する沖縄

 「民意とは何ぞや」と問われると、一口に言い表すのは難しい。

 今日の憲法コラムでは、民意とは「人民の意思」「国民の意思」としよう。「国民の意見」と言い換えてもいい。

 よく「民意を反映した政治(国政)」と言われるように、民主主義社会においては、民意を尊重して政権運営に当たる、というのが基本でなければならない。ところが、政権を担当する側は、政権運営に批判的で都合の悪い民意を示されると、それを無視したり、「民意にもいろいろある」などと弁解することがままある。

 8月26日付の琉球新報に、琉球新報社と沖縄テレビ放送(ОTV)が23、24日の両日に合同で実施した県内電話世論調査の結果が大きく報道されている。

 両社による世論調査は、政府が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた海底ボーリング調査開始に合わせて実施されたものだ。

 私は、マスコミ学や社会学の専門家ではない。ましてや統計学は門外漢で、マスコミによる世論調査の手法を詳細に知っているわけでもない。設問の仕方や対象(回答者)の抽出方法、サンプル数などによって、得られる調査結果が左右される―というのを理解している程度だ。そのうえで、8月26日付琉球新報の記事を中心に議論を展開したい。

 世論調査の設問の1番目は「普天間飛行場の名護市辺野古移設計画で政府は海底ボーリング調査を開始した。今後の移設作業についてどう思うか」である。

 この問いに対する回答は、「移設作業をそのまま進めるべきだ」19.8%、「移設作業は中止すべきだ」―が80.2%である。

 私のブログでも再三再四にわたり書いてきたが、現在政府は国家権力を総動員して、辺野古新基地建設を前提にした関連工事を強行している。だが、ウチナーの民意は80.2%が「移設作業は中止すべきだ」と明確だ。

 次に、「ボーリング調査を開始した安倍政権の姿勢を支持するか、しないか」との問いに対する回答は、「大いに支持する」4.3%、「どちらかといえば支持する」14.3%、「どちらかといえば支持しない」26.6%、「全く支持しない」54.9%−である。

 このように、81.5%のウチナーンチュが安倍政権不支持、安倍政権を拒否しているのである。

 安倍総理は、自らの権力が神から付与された絶対のものであり、他の権力から制約されない―とする「主権神授説」のような考えなのかもしれない。だが、法治国家日本にあって、最高法規である日本国憲法は国民主権を謳っているのである。安倍内閣のような民意無視の政権運営は許されない。

 設問の3番目は、「普天間飛行場の返還・移設問題について、どのように解決すべきだと思うか」である。

 これに対しては「沖縄県以外の国内に移設すべきだ」16.1%、「国外に移設すべきだ」30.8%、「名護市辺野古に移設すべきだ」10.0%、「辺野古以外の沖縄県内に移設すべきだ」4.6%、「無条件に閉鎖・撤去すべきだ」32.8%、「その他」5.7%−である。

 「世界一危険な」欠陥基地である普天間飛行場について、ウチナーンチュの多くは「国外・県外への移設」と「無条件閉鎖・撤去」を求めているのである。

 設問の4番目は「政府が辺野古のボーリング調査を開始したことを受け、仲井真知事はどのように対応すべきと思うか」である。

 この問いに対し「知事は埋め立てに向けた政府の作業に大いに協力すべきだ」4.9%、「知事は政府の作業に協力すべきだが、急がず慎重に対応すべきだ」21.1%、「知事は政府の作業に協力すべきではなく、少なくとも作業の中断を求めるべきだ」20.2%、「知事は昨年12月の埋め立て承認の判断を取り消し、埋め立て計画そのものをやめさせるべきだ」53.8%−との回答になっている。

 仲井真知事は、この設問への回答に対する感想を記者から聞かれ、「防衛省は法令にのっとった許可が取れている。それに沿って仕事の段取りを進めることはある意味で当然だ」と述べ、政府が移設作業を進めていることに理解を示したらしい。(8月26日付琉球新報)

 何たる頓珍漢(とんちんかん)で能天気な釈明か。ウチナーンチュの圧倒的多数が、辺野古埋め立て承認の取り消しを知事に求め、政府による移設作業の中止を要求しているのに、まるで他人事だ。公約を裏切り、権力・金力に屈した張本人が「我関せず」の無責任な態度とは、呆れかえってしまうね。

 設問の5番目は「11月の知事選で投票する人を選ぶ際に最も重視することは何か」である。

 この問いに対しては「普天間飛行場の移設・返還などの基地問題」34.3%、「経済振興や雇用対策」24.4%、「医療や福祉、教育問題」19.3%、「環境問題」4・8%、「候補者の人柄や、候補者との地縁や血縁」6.6%、「その他」10.7%−の順となっている。

 安倍政権は目下、辺野古における埋め立て工事関連作業を強行的に進め、既成事実を積み上げるのに躍起だ。後戻りできないとの印象を与え、「普天間問題」をはじめとする沖縄の基地問題を知事選の争点から外す戦略なのだろうが、回答を見るにつけ、辺野古新基地建設の是非が最大の争点となることは間違いない。

 だとすれば、近々に出馬表明を予定する現那覇市長・翁長雄志氏が大差で勝つだろう、と予測する。いや、日米両政府に隷従し、ウチナーンチュの尊厳と誇りを失い、辺野古新基地建設推進の片棒を担ぐ仲井真知事に怒りの鉄槌を食らわすためにも、「辺野古反対」の姿勢を明確にする翁長氏を何としても勝利させねばならない。

 琉球新報社とОTVによる今回の世論調査結果を私なりに分析する限り、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対するウチナーの民意は、仲井真知事による埋め立て承認以前より格段に強まっている気がする。

 そして、これらウチナーの民意を無視し、国家権力を総動員して沖縄に基地負担と犠牲の強要、構造的差別を強いる安倍政権への拒絶感、拒否感も強まっているように思う。これぞ五十嵐仁・法政大学前教授が指摘する、ウチナーから安倍政権への「民意の反乱」である。

 ウチナーの民意を無視する安倍政権と民意に背く仲井真知事に、11月の知事選挙では必ずしっぺ返しをしてやるぞ。

 最後に、両社の世論調査における政党支持率に触れておこう。

 自民党11%(前回の4月は27.8%)、社民党5.2%(同4.3%)、民主党4.3%(同3.8%)共産党3.4%(同2.4%)、公明党2.0%(同2.8%)―などと続く。

 沖縄において、自民党に次いで2番目の支持率を社民党が得ているのは、平素から党員・党友や県議・市町村議らがウチナーンチュの先頭に立ち、現場で身体を張って闘っているからだと考えている。

 よーし、この勢いで9月の「ミニ統一地方選挙」も頑張るぞ!

(2014年8月27日 社民党衆議院議員 照屋寛徳)

 

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