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特集

雨宮処凛の“かりん”と直言

自由と生存のメーデー大成功!!

 ここでも告知させていただいた「自由と生存のメーデー08  プレカリアートは増殖/連結する」が5月3日、大成功に終わった。2年前、私が初めて参加したときは200人、去年は450人だったメーデーは、今年、何と1000人以上の参加者! 新宿をサウンドカーを先頭に、歌い、踊り、叫びまくる「生の祭典」的祝祭空間をつくり出したのだった。

 「メーデー」は労働者のものだ。だけど、非正規雇用だったり、しょっちゅう失業を余儀なくされたり、そして「働く」ことすらできない人々にとって、メーデーは長らく遠いものだった。だけど、私たちだって言いたいことはある。貧困に対して、私たちの不安定な日々に対して、私たちを「生きさせない」この国のあり方に対して。

 そうして自然発生的に新手の「インディーズ系メーデー」が開催されるようになった。メーデーは「正規の労働者」だけのものじゃない! こっちは生存ごと脅かされてるぞ! 生きさせろ! そんな叫びから始まったメーデーが、今年は全国14ヵ所で開催され、私も札幌、福岡、岐阜を回り、それぞれの地域の若者たちとともに叫び、歌い、そして交流してきた。ほとんどが初対面の若者たちで、メールでやりとりをした程度だ。だけど、各地で若者たちが「自分たちも自分たちのメーデーをやるぞ!」と立ち上がったのだ。

 これは勝手に応援に駆けつけるしかない。私だけじゃなく、東京からは「黄金の旅団」という全国キャラバン隊が出動。各地のインディーズ系メーデーを回ってきた。また、ヨーロッパのプレカリアートメーデーとも連携を取り、ドイツとイタリアのプレカリアートメーデーにも数人が「派遣」された。メーデーのサブタイトルどおり、プレカリアートは増殖し、連結している。

 国内だけでも、今年のインディーズ系メーデーに参加した人は2000人に上るだろう。数としてはまだまだ少ないが、少し前まで貧乏なのも不安定なのも「自己責任」と思い、自分を責めていた人々が、一歩間違えばネット心中や硫化水素自殺に傾いていたかもしれない若者たちが、自らの生きづらさについて考え、社会に目を向け、やっと声を上げたのだ。

 そんな彼らがデモで叫ぶシュプレヒコールがイカしてる。「おまえがお茶くめ!」「おまえが掃除しろ!」「バカにすんな!」「練炭を買う金がないぞ!」「マトモな仕事をよこせ!」「安心して生きさせろ!」「税金は金持ちから取れ!」「アタシを使い捨てるな!」「もうガマンしないぞ!」などなど。

 06年ごろに始まった「ワーキングプアの反撃」は、こうして今、全国各地に飛び火している。変革は、近い。だって、すでに「生きるのが大変」な私たちは多数派なのだから。

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『雨宮処凛の闘争ダイアリー』(雨宮処凛、集英社)
フリーター全般労組
自由と生存のメーデー

社民党・労働者派遣法改正案骨子
社民党の労働政策:人間らしい労働

プロフィール

雨宮処凛(あまみや・かりん)

雨宮処凛1975年、北海道生まれ。ゴスロリ作家。元パンク歌手&元政治活動家。アトピーが原因で受けたイジメを発端に、不登校、家出、リストカット、自殺未遂などを繰り返す。その壮絶な半生を描いた『生き地獄天国(太田出版)は大きな反響を呼ぶ。最近は、若者の雇用問題などにも積極的に取り組んでいる。
【雨宮処凛公式ホームページ】http://www3.tokai.or.jp/amamiya/


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