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特集

雨宮処凛の“かりん”と直言

反抗と抵抗のフェスタ

 12月1日、「生きのびる」ために私たちは「祭り」をする。

 その名も「反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉2007」。04年ごろから秋の深まるころに開催されてきたこのイベントに、私は去年からかかわらせてもらっている。

 昨年は千駄ヶ谷区民会館を借り、さまざまな団体がブースを出し、1部で講演、2部でデモ、そして3部で討論会を開催した。昨年のテーマは「戦争からの逃亡、労働からの逃亡」。今年度のテーマはシンプルに「生きのびる」だ。

 昨年の「反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉」では渋谷、原宿でデモをした。若者たちのデモ隊がダンス・ミュージックを爆音で流すサウンドカーを先頭に街を混乱に陥れる。何事かと驚く表参道の人々と、踊り、歌うデモ隊。デモ隊が表参道のブランドショップがひしめくセレブな通りを横切る瞬間、何と秋田の「なまはげ」が登場。「ネオリベはいねがぁ!?」と叫び、ネオリベカップルを襲った。もちろん仕込んであったパフォーマンスで、「なまはげ」の衣装は秋田から借り、ネオリベカップルは私ともう1人がわざわざセレブなコスプレをして演じたのだ。それにしても、日本で1番くらいに浮ついてきらびやかで金持ち指数が高い表参道で「なまはげ」が暴れまくる、という絵はあまりにもシュールで笑えた。デモの警備に張り付く警察までもが焦って「なまはげの諸君!デモ行進の列に入りなさい!」と拡声器で叫ぶのだ。「なまはげの諸君」って…。

 今年も渋谷、原宿でデモをする。今年はどんなパフォーマンスを仕込もうか。そうしてデモの後は討論会だ。今年の討論テーマは「戦争は貧者を求める。貧者は戦争を求めるか。」と題して、「31歳、フリーター。希望は、戦争」という論文を「論座」に発表した赤木智弘さんを呼び、みんなで激論を繰り広げるつもりだ。ちなみに司会は私。

 私たちはこの祭りを通して、「生きのびる」術(すべ)を探し、「生きのびる」ためのノウハウを交換するだろう。周りの人たちをけ落としまくって自分1人だけが生き残る道ではなく、みんなで生きていく道を模索するために。1人ひとりが「生き残り」のために分断される地平で、少しでも平常心を取り戻すために。少しでも当たり前に「優しく」なるために。

(2007年11月7日 社会新報 「文化人コラム」より)

プロフィール

雨宮処凛(あまみや・かりん)

雨宮処凛1975年、北海道生まれ。ゴスロリ作家。元パンク歌手&元政治活動家。アトピーが原因で受けたイジメを発端に、不登校、家出、リストカット、自殺未遂などを繰り返す。その壮絶な半生を描いた『生き地獄天国(太田出版)は大きな反響を呼ぶ。最近は、若者の雇用問題などにも積極的に取り組んでいる。
【雨宮処凛公式ホームページ】http://www3.tokai.or.jp/amamiya/


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