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国民年金の瓦解進む -納付率さらに低下-

 宙に浮いた5000万件の年金記録は、自民党政権の「07年度末までに解決」の政治公約がホゴとなり、その信用は完全に喪失している。これを反映するかのように07年度の納付率は2月末時点で63・4%。残り1ヵ月間の推移を見ても前年度分(66%)を下回るのは確実の雲行きとなった。

 国民年金は、20歳以上・60歳未満の全員が加入し、低所得者など保険料を猶予・免除された以外の人は例外なく保険料を納付する義務がある。政府の想定では「納付率80%を超えないと年金運営は困難」との判断から国民に年金納付を呼びかけている。

 ところが、社会保険庁のズサンな管理が表面化した1995年以降、国民年金に対する国民の信用は瓦解が進み、80%の目標ラインを下回ったままだ。これに拍車をかけたのが、宙に浮いた5000万件の年金記録問題である。

 泥縄式に「1年間で問題を解決する」と安倍、福田政権が軽々しく約束したものの、これまでの社会保険庁の管理能力・事務能力の低さから誰もが信じていなかった。1年が経過してみると、予想通り問題は解決するどころか、逆にズサンさが広がるという惨状で、もはや国民年金を正直に支払っている者が「あほらしい状況」となっている。

 社会保険庁では、納税率改善に向けて未納者に対し、財産差し押さえなどの強硬措置も実施していたが、社会保険事務所に記録訂正要求や抗議、相談などが殺到して人手が足りず、それどころではなくなっている。

 そして、この混乱がさらなる未納者を増やしている。後から後からズサンぶりが露見するため、呼びかけが逆に未納者を増やすことにつながるのだ。こうして納付率は60%割れも視野に入る惨状で、国民の半数近くが未納という時が近づいている。

 このままの状態が続くと、国民年金が破たんするのは時間の問題だ。そして、納付不足分を多額の税金で穴埋めした上で、未納のまま老人となった高齢者を生活保護者として財政面から支えるか、そうでなければ飢餓線上をさまよう大量の高齢者の出現を放置したままの地獄社会を覚悟するか、深刻な選択を迫られることになりそうだ。年月とともに誰もが高齢者となる。恐ろしい未来社会が迫っているのである。

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