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物価高騰の恐怖 -サブプライムよりインフレ-

 世界各国は原油、鉄鋼、穀物と基礎的原料の高騰に見舞われている。米国の金融当局が米国のサブプライム対策に神経を傾注させ、金利を連続的に引き下げている間に、原油や鉄鉱石、石炭、穀物などの高騰が一段と進み、世界的なインフレは、のっぴきならない状況になってきた。

 エジプト、中南米などの発展途上国では食料危機が表面化して暴動が発生。ロシア、中国などでは穀物の輸出禁止を実施。食料輸入国である日本は困窮し、ついに農水省は小麦粉にコメ粉を混入させる緊急措置を実施しようとしている。

 すでにバター、乳製品などは値上がりしており、庶民の食生活は深刻な打撃を受けている。5月の連休を契機に食品会社や外食産業は値上げを予定しており、庶民にとってはガソリンの値上げも手伝って、とんでもないゴールデン・ウイークとなった。

 ガソリンの値上げに続き、原油の高騰は、電気や都市ガス料金の値上げにも波及し始めており、これに加えて紙、セメント、鉄鋼製品の値上がりが必至の見通しで、経済界には、まさに物価高騰の恐怖が満ちあふれてきた。

 産業界では軒並み業績悪化の雲行きで、来年3月期の決算見通しは減益必至である。個人の消費も急速に縮減しており、景気失速の懸念が広まっている。

 一連の動きを見ると、米国のサブプライム問題重視の金融緩和策が原油、穀物など基礎的原料の高騰に拍車をかけているのは明らかで、世界中からサブプライム問題よりも、今は物価沈静策が緊急課題だとの声が次第に強まってきている。

 特に、物価高騰で生活苦に追い込まれている世界各国の低所得層は暴動を起こすほどで、政治状況は、まさに不穏そのものだ。日本では、この生活苦に暗い追い打ちをかけようとしているのが年金問題、後期高齢者医療制度などだ。

 この庶民の生活不安感情に無神経、他人事のような発言を繰り返すのが福田首相である。この国の政治は小泉改革以後、一体、どこを向いているのか。このままだとどこに連れていかされるのか。何が必要で、何が間違っているのか。真剣に考え直さなければ、国民の生活の基盤が根底から崩れ去る危険が迫りつつある。

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