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コメ消費は拡大するか -パン、めん、食肉の値上げで-

 世界的な穀物の高騰で5月からは食料品の本格的な値上げラッシュとなる雲行きだ。食材の値上げが、外食産業など末端のメニューの値上げに波及し始めた。

 5月の連休前後からこの値上げ攻勢に、庶民はショックに見舞われそうだ。

 「もう我慢も限度です。4月いっぱいは値上げ前の小麦粉でがんばっていますが、5月からは上げるしかない。大手はすでに発表し、お客も減るでしょうが、背に腹は代えられません」と悲壮な覚悟を漏らすのは個人経営のパン屋さん。そして多くのレストラン経営者。パンだけではない。小麦、トウモロコシ、大豆と穀物は昨年来世界的な高騰を続け、中国などは輸出禁止まで始めた。

 すでに大豆が主原料の食用油など輸入原料に頼る食料品は値上げが始まった。豆腐屋も困窮している。生活防衛の苦労話も主婦の間で聞こえてくる。

 それでも、現状の値上がりはまだ序の口だ。本当の値上げラッシュはこれからだ。スーパーなどの小売業界が売れ行き不振を恐れて仕入れ価格を抑制し、店頭価格を抑制している。畜産、酪農製品は政府の飼料価格安定策で輸入穀物価格高騰の直撃を免れているが、もはや価格安定対策は崩壊の瀬戸際だ。

 これらの「防波堤」が間もなく決壊すれば、中国、欧米で起きている食料品の高騰、レストランの値上げラッシュが日本にも波及してくる。海外ではパン、食肉の価格が1・6倍から2倍にも高騰している。

 こうした中で注目されるのがコメの消費動向だ。コメは国内で自給できる数少ない食料品という事情から国際価格の影響から免れている。しかも減反政策の失敗からこのところ値下がり傾向で、昨年産米も過剰生産となったことから値下がり気味だ。

 農水省はこのコメの価格動向に消費者が注目して減少傾向にある需要が、今後上向くのではと期待している。コンビニも5月の連休という行楽シーズンにおコメの弁当、おにぎりが他の食料品の値上げの中で売れ行き増大となるのではと販売攻勢を準備している。

 これまで食の洋風化で年々、消費量を減らしてきたコメが需要を拡大し、パンやハム、バターなどの洋風食料品が需要減退となるのか。政府も、消費者も関心を寄せている。

(社会新報2008年4月23日号より)

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社民党の農林水産政策

農家が希望の持てる政策を

山本喜世宏 農業従事者 秋田・男鹿果樹協会副会長(次期衆院選・秋田2区予定候補者)

山本喜世宏 一緒に働いていると農家の人たちから農業政策に対する不満が出されます。特に米政策は不評で、鳴り物入りで導入された品目横断的経営安定対策は早くも見直しとなったことから、集落営農に踏み込んでも展望が見いだせない状況です。「国会に行って農業政策を変えてくれ」といつも言われます。油の値上がりで、肥料や農薬などの農業資材も軒並み上がりました。下がったのは米価だけ、これでは続けられないと悲痛な叫び。

 政府は減反を強化するだけですが、それでは耕作放棄地は減らず、自給率も上がりません。「水田は水田として活用する」政策が最も有効です。穀物の国際価格が高騰していることからも、米粉利用への政策誘導のほか、耕畜連携で、米や飼料稲など家畜の飼料の自給率を高めることが必要です。

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