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外銀、外国証券に解雇の嵐-花形職場が雇用不安-

 外銀、外国証券は花形のエリート職場と見られてきた。実力主義により、20代でも数百億円の投資で腕を振るうこともでき、年俸数億円も珍しくないといわれた魅力の職場、腕と能力に自信のある若者がこぞって押し寄せていた。しかし、時は移り、大量解雇の嵐が目前に迫っている。

 邦銀と外銀の立場は様変わりとなっている。バブル崩壊直後には、日本経済は不良債権の山にうずもれていた。その中にあって多くの邦銀が危急存亡の状況に追い込まれていた。

 地価下落と株価暴落により自己資本比率を低下させ、日本の金融市場は恐慌前夜の様相となり、大銀行ですら株価が額面すれすれの惨状で、市場の圧力に押される形で日本長期信用銀行、日本債券信用銀行などが外銀の手中に売却されることになった。

 この間、米国政府などは日本政府に対して不良債権の前倒し処理を迫り、邦銀の身売りを催促した。買収を狙った政治的な買収工作だったのである。これに日本のエコノミストやマスコミの一部まで加担する売国奴的な動きを見せた。

 こうして邦銀の中から外銀に買収されたり、買収を逃れても大量のリストラを断行せざるを得ないところと、金融・証券界は大量失業の嵐が吹き荒れた。銀行・証券のエリートサラリーマンにとって青天のへきれきであったに違いない。

 時は移り、今度は外銀に経営危機が訪れた。サブプライム問題に端を発した米国などの大手銀行が存亡の危機に直面している。すでに最大手のシティグループは2兆5000億円の赤字を計上し、中東の産油国やシンガポールなどに増資引き受けを依頼、資本増強で生き延びようと懸命だ。他の外銀なども同じ状況にある。

 これほどの経営危機に直面すれば、ニューヨークなどの本店はもとより、東京支店でも大量リストラは不可避の雲行きだ。すでに外銀、外国証券の多くはバブル崩壊後に購入した大量の日本株を売却している。それは日本での投資活動の縮小であり、その帰結として人員整理は当然の動きである。

 バブル崩壊後、日本人にとって外銀という就職先はけた外れの高給を受け取れる花形職場であったが、10年後には解雇の嵐が吹き荒れる事態となった。これもまた時代の移り変わりである。

(社会新報2008年1月23日号より)


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