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武器「爆買い」 安保と国益の名の下に生存権否定

 「武器ローン」の支払い期間を延長する特定防衛調達特措法改正案に象徴される政府の米国製武器「爆買い」が止まらない。もはや常軌を逸していると言うほかない。ローンの残高は5・3兆円規模に達している。

 それを後押ししているのが米国からのFMS(有償軍事援助)であることは言をまたない。105機を追加購入し計147機体制とするF35戦闘機は1機116億円。軍事的有用性に疑問を持たれつつ、その導入経費は維持費を加えて総額6・2兆円以上に上り、市民団体「武器より暮らしを!市民ネット」は「1機分のおカネで認可保育所を90ヵ所造れて8100人の子どもが保育を受けられる。6機分のおカネで日本中の待機児童が保育園に入れる」と端的に指摘している。

 イージス・アショア(ミサイル迎撃システム)の売却代を米国防総省は2基で2350億円としているが、これにはレーダー代は含まれず、実は1基当たり3000億円と言われる。加えて米国は、ハワイに建設するイージス・アショア用レーダー試験施設の建設費用負担を日本に求めているが、政府は詳細を明かさない。

 FMS調達の費用は19年度に7013億円を計上。これは12年度の5倍、98年度の何と20倍以上なのだ。

 トランプ大統領の発言からすると、日米首脳会談のたびに安倍首相は米国製兵器の購入要求をのまされ、その結果が今日の事態ということになる。さらに米国は米軍が駐留する全ての国に駐留経費の1・5倍の支払いを要求することを検討しているとされ、21年度からの思いやり予算(在日米軍駐留経費日本側負担)特別協定改定を控える日本側は身構え、日本の経費負担は「74・5%」と強調しているが、これは国民に向かって胸を張れる数字なのか。ある種の倒錯としか言いようがないのではないか。

 研究者ら約210人の賛同で昨年12年20日に発表された「防衛費の膨大な増加に抗議し、教育と社会保障への優先的な支出を求める声明」は、野放図な兵器購入をしなければ行なう必要がなくなる生活保護の減額などを批判、「国民の生存権よりも同盟国からの兵器購入を優先するような財政運営は根本的に間違っている」と喝破した。その通り。米国の歓心を買って日米同盟を維持し、米軍需産業の雇用を維持し、日本車の米国市場からの締め出しを避けることが「国益」だといくら説かれても、その考えは明らかに誤っている。

(社会新報2019年3月27日号・主張より)


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