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沖縄県民投票 民意打ち消す安倍政権の悪あがき

 沖縄県民投票で辺野古新基地反対の圧倒的な民意が示されたことを受け、政府はこの意義を否定しようと躍起になっている。その一つが、「反対は全有権者の37%余でしかない」論だ。しかし、質問項目が2択から3択になったことの投票率への影響は別途分析を要するとしても、政府が投票日前から結果にかかわらず工事を続けると明言していたにもかかわらず、52・48%の人々が自らの意思を表明したことは決定的だ。17年の総選挙で自民党が得た全有権者中の絶対得票率は小選挙区で25%、比例で17・5%。それでも「民意を得た」と胸を張ったことを、よもや忘れたのだろうか。

 岩屋防衛相は投票後、「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」と発言、沖縄の民意無視と差別を正当化し、その後釈明に追われた。その防衛相は2月末、ようやく認めた最深90bの軟弱地盤について「70 bの施工であっても十分に安定性を確保できると確認した」と述べ、70bより深い部分の地盤改良工事は必要ないとした。90 bに対応できる作業船はないとの指摘がよほどこたえたと見えるが、サンドドレーン工法について70 bなら作業船は確保できるという主張には早速疑問が呈されているし、そもそも根拠となる資料は公開されていない。

 安倍首相も安倍首相だ。辺野古新基地が完成すれば普天間は返還されると答弁した。しかし、これもそもそも、13年末に埋め立てを承認した仲井真知事(当時)が5年以内の普天間運用停止の政府との約束にこだわったのは、新基地完成に最低10年はかかると認識していたからであり、辺野古と普天間は切り離されていた。県は現在、地盤改良工事も加味して工期を最低13年と見ている。加えて、稲田防衛相(同)は緊急時の民間施設(那覇空港のこと)の米軍使用確保が返還条件の一つであることを認めた。政府が工期を明言せず、稲田答弁も撤回されていないのに、どうして首相は普天間返還を断言できるのか。

 野党との論戦で政府側が、「見解の相違」を持ち出して議論を打ち切ることはよくあった。だが、安倍政権の(歴史問題にも共通する)特異性は、「事実は客観的」「事実は公開される」という、多分に建前であっても維持されるべき議論の前提を、批判者はおろか主権者国民と共有するつもりはさらさらないことだ。沖縄問題でもウソをつき続け、そう非難されても意に介さない。もう我慢の限界だ。

(社会新報2019年3月13日号・主張より)


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