HOME広報社会新報・主張・一覧>米国武器購入 武器代に糸目は付けない安倍政権

広報

社会新報・主張

社会新報

米国武器購入 武器代に糸目は付けない安倍政権

 安倍首相は14日の自衛隊観閲式の訓示で「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える」と述べ、あらためて憲法9条への自衛隊明記に意欲を示した。「内閣総理大臣」としての発言にほかならず、9月の自衛隊幹部会合での同趣旨の発言が99条の憲法尊重擁護義務に抵触するものとの批判を浴びたことなど意に介していないことがはっきりした。それだけではない。首相の強硬な姿勢は、自衛隊の憲法明記は自衛隊を国会、内閣、裁判所に並ぶ「4権」に引き上げるものだとの懸念を裏書きするかのようだ。

 その4権目、自衛隊の実態はどうか。観閲式では最新鋭戦闘機F35Aが初めて展示飛行した。米国防総省は11日、墜落事故を受け、米軍のF35全機の運用を一時停止した。だが岩屋防衛相はすかさず12日、自衛隊配備機について「安全性に影響がないことを確認した」とその影響を打ち消した。

 米国開発のF35Aと言えば、レーダーをあざむくステルス戦闘機であり、射程500`超の長距離ミサイル(スタンド・オフ=脅威圏外=ミサイル)を搭載することで、敵基地攻撃能力の一翼を担うとされる。また自衛隊は、垂直離着陸が可能で「空母化」したヘリ護衛艦への搭載が取りざたされるF34Bの導入や、F35Aの完成品20機以上の追加購入も検討中とされる。

 米国製武器となると、どうしていつもこうなるのか。2基導入予定のイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)は1基約800億円が約1340億円となり、基地建設費や装置費、30年間の運用経費等を加えると5000億円を超えるとも指摘されている。オスプレイは予算から逆算して1機約100億円とされてきたが、FMS(有償軍事援助)制度に基づき「言い値で先払い」という米国製武器価格固有の不透明さがあり、実際のところははっきりしない。

 政府は18年度第1次補正予算案に、全ての公立小中学校教室へのエアコン設置費(現在の設置率は約4割)として約822億円を盛り込んだ。イージス・アショア1基で十分おつりが来る計算であり、今夏、熱中症による児童死亡事故が起きた猛暑対策費と、来年度の予算審議のときまで対比され続けるのを嫌ったとも思われるが、実に好対称であることに変わりはない。

 初めに米国製武器購入ありき。これが「隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境」の整備なのか。

(社会新報2018年10月24日号・主張より)


HOME広報社会新報・主張・一覧>米国武器購入 武器代に糸目は付けない安倍政権