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埋め立て承認撤回 沖縄の側に道理があることは明白

 沖縄県の翁長雄志知事は7月27日、前知事による辺野古埋め立て承認の撤回を表明した。翁長知事は、埋め立て要件の実施を担保するための留意事項とされた全体実施設計や環境保全対策の提示および県との協議が行なわれることなく国は工事に着手したと指摘。特に、沖縄防衛局が行なった調査により埋め立て予定海域の軟弱地盤が判明したことを挙げたほか、国立沖縄高専などが米軍の高さ制限に抵触していること、辺野古新基地が完成しても民間施設(那覇空港のこと)の米軍固定翼機利用が可能とならなければ普天間基地は返還されないと稲田防衛相(当時)が答弁したことに言及し、「承認時には明らかにされていなかった事実が判明した」と強調した。

 事情変更といえば、翁長知事は米朝首脳会談合意や米韓合同演習の中止に触れて「このような中、20年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直すこともなく強引に推し進めようとする政府の姿勢は到底容認できるものではない」と述べ、在沖米海兵隊を取り巻く状況が大きく変化しつつあることを強く指摘した。

 しかし政府の姿勢は、「工事を進めていく考えに変わりはない。(県には)丁寧に丁寧に今日まで対応してきている」(菅官房長官)と、フェイクまで混じえた強権的なもの。政府はいつも16年12月の「違法確認訴訟」での県側敗訴を持ち出して「最高裁判決に従え」と繰り返す。だが、「この判決に県は従う」とした同年3月の「代執行訴訟」和解条項は、国地方係争処理委員会の判断を踏まえて県が新たに起こす訴訟を想定したものであり、その後、係争処理委は判断を示さずに国と県との協議を求めたのに対し、国が協議をしないまま新たに起こしたのが違法確認訴訟なのであって、同訴訟の判決は和解内容とは関係ない。しかも、この判決たるや、国防・外交は「国の専権事項」との考えを押し出すと同時に、前知事の承認が違法かどうかを審査の対象とし、現知事の権限行使に対する判断を回避するという、忖度(そんたく)まみれとの批判を免れない代物だった。

 国の態度は相変わらずだが、新しい芽は出ている。全国知事会は同日、沖縄県のかねてからの問題提起を受け止め、日米地位協定の抜本改定を求める提言を全会一致で採択した。基地を抱える渉外知事会も改定要求を拡充した。「道理は沖縄にあり」の声を全国から高め、政府を包囲しよう。

(社会新報2018年8月8日号・主張より)


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