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沖縄と安倍政権 平和と非核化の流れに背を向ける

 安倍首相の言動を問題にすることには、そうせざるを得ないという思いと、それだけにとどまってはいけないという思いが交錯する。だが、6月23日の沖縄「慰霊の日」に訪沖したときの発言はやはりひどい。首相は普天間基地の辺野古移設を「進めていく」とし、「飛行経路が海上に移り安全が大幅に向上する」と言い放った。普天間のオスプレイは経路などを制約する配備時合意を守っているのか。オスプレイは16年12月、名護市安部の海岸に墜落しなかったか。オスプレイの辺野古新基地配備を隠していたのはどこの政府か。

 首相は6月25日、嘉手納のF15戦闘機墜落について、米軍に飛行停止を求めたのは沖国大ヘリ墜落以来のことと答弁し、関係当局を困惑させた。政府は今回飛行停止を要求していないが、先に挙げたオスプレイ事故などに際しては停止を求めている。まるで事実と違うことを言って平気なのだ。

 慰霊の日追悼式で翁長知事は、米朝首脳会談に触れて「平和を求める大きな流れの中にあっても、20年以上も前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場問題の唯一の解決策と言えるのでしょうか」と述べ、見直しを訴えた。片や小野寺防衛相は式典に出た足で自衛隊施設を訪問、知事と対照的な認識を態度で示した。

 どういうことかというと、朝鮮半島の非核化は沖縄の基地の見直しと無縁ではない。知事はその展望を端的に示し、首相と防衛相はそれとは逆の方向性を示唆した。つまり、対立と緊張を維持し、非核化と平和体制構築に水を差したいのだ。

 先の米外交文書公開で、有事の際の沖縄への核兵器再持ち込みを容認する69年の「沖縄核密約」へと至る交渉で、米国が核の「緊急時貯蔵」と「通過」の権利を要求していたという経過が判明した。これに先立つ3月、09年のオバマ政権時の米議会の委員会で、秋葉剛男駐米公使(現外務事務次官)が米国の核の維持を主張していたことを示す資料が明らかとなったが、日本政府は、議論は非公開が前提だとして文書の存在確認を拒否し続けている。

 ここで見過ごせないのは、沖縄への核貯蔵施設建設への見解を問われた秋葉氏が「提案には説得力がある」と答えたとされていることだ。念のため言うが、これは沖縄に1300発の核が貯蔵されていたとされる米軍政下の話ではなく、未来のことだ。沖縄核密約の実相の検証は、非核化交渉と切り離すことはできない。

(社会新報2018年7月4日号・主張より)


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