HOME広報社会新報・主張・一覧>森友文書改ざん 政治責任の追及決して終わらない

広報

社会新報・主張

社会新報

森友文書改ざん 政治責任の追及決して終わらない

 財務省が4日に公表した森友公文書改ざん問題調査報告は、全く納得がいかないものだ。佐川前理財局長は文書改ざんや廃棄の方向性は示したが、具体的な指示は認定できず、部下が「局長の理解を得ることが必要になると認識」して改ざんなどに手を染めたのだという。改ざんなどは昨年2月の安倍首相の「私や妻が関係していれば首相も国会議員も辞める」答弁の後に始まったとしたが、これは「背景事情」とされた(麻生財務相は翌5日の答弁で早速この言葉を使った)。財務相は同省報告あるいは5月31日の大阪地検の佐川氏不起訴決定の前から「悪質でない」「組織的でない」と発言、その内容を予見するかのようだった。

 これらの経過は、官邸、財務省、検察の間で幕引きへのすり合わせが行なわれたと推認するに十分なものだ。実際、首相は同30日の党首討論で、自分や昭恵氏が関与したか、ではなく、土地値引きの理由が問題の本質であり、それは同省や検察が調べていると語った。だが、首相らの関与を疑わせた大幅値引きの根拠となったごみ撤去費用について地検も同省報告書も、価格の妥当性について判断を示さなかった。近畿財務局が昨年2月、ごみの量について森友側に口裏合わせ持ちかけた事実に、報告は触れているにもかかわらず。

 驚がくしたのは、首相による「関係」の定義の勝手な変更だ。5月23日、同省が進めていた廃棄を免れた交渉記録が国会提出され、森友側から昭恵氏に土地貸付条件の優遇について照会があり、昭恵氏付職員が同省に問い合わせたことを示す15年11月のメモの存在が明らかになった。このことは、職員から当時の籠池学園理事長への同年同月のファクス回答として昨年3月に知られていたが、首相は当時から、売買を前提とした借地契約とその後の売買契約成立の間に線を引き、今年3月段階には「安く貸してくださいということではない」とし、交渉記録開示当日には「値下げをしてくれということではなく、制度上の問いをしている」と答弁、5月28日には「贈収賄では全くない」と述べた。語るに落ちた態度だ。

 不起訴処分は極めて不当であるが、この問題は、検察権力が描くストーリーに解決を丸投げすることはできないのも確かだろう。民主主義、さらに立憲主義が機能する前提は政治責任の明確化にあり、その中核は説明責任の履行だ。追及が終わることはあり得ない。

(社会新報2018年6月13日号・主張より)


HOME広報社会新報・主張・一覧>森友文書改ざん 政治責任の追及決して終わらない