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公文書改ざん 財務官僚は誰を守ろうとしたのか

 森友決済文書の改ざん問題は、経過と共に、政治家の政治的責任を問わざるを得ない事態であることが浮かび上がってきている。

 振り返ってみよう。財務省は、書き換えは当時の佐川理財局長の答弁と整合させるために、2月下旬から4月にかけて行なわれたとしている。しかし、佐川局長はその前から答弁に立ち、小学校建設予定地のごみ撤去費用の差し引きは適正な対価だ、政治家の関与はない、などとしていた。すると、あれだけ国会で問題になっていた事柄について、少なくとも所管大臣である麻生財務相が改ざん前の文書を見て、経過を確認しなかったとは考えにくい。また安倍首相も先日、「理財局の決済文書など存在すら知らない」と答えているが、真相はどうであれ本当のことを知る当事者として、佐川局長答弁に違和感を感じない方がおかしくないか。2人は、目の前で行なわれる局長の苦しい説明だけでなく、明らかな虚偽答弁も後ろから眺めていたのだ。

 この1年間の財務省の一連の説明ぶりを見ると、形式を取り繕うための「苦労」ぶりが印象的だ。交渉記録は廃棄したが保存期間1年未満の文書だから廃棄しても違法ではないと言い、「自動消去システムがある」とまで言い(さすがにこれは直後に否定された)、交渉記録を開示せざるを得なくなると、これは「法律相談書」であって価格交渉の記録ではないと強弁した。

 つまり、ごまかせたのは表層だけであり、今日見るように結局破綻する運命だったとしても、行政のルールと何とか折り合いをつけようと努力したわけだ。これは裏を返せば、そうせざるを得ない事情があったということ。この点が問題の核心であることは、今や社会的共通認識だと言える。

 だからこそ、昨年2月17日の周知の「私や妻がもし関っていたのであれば私は辞める」答弁は決定的だったのだ。上脇博之・神戸学院大教授は3月20日の院内集会で、この発言は官僚に対する「私や妻が関係している文章があれば、どうにかしろというメッセージ」だと指摘した。もしそうだとすれば、官僚に違法行為に手を染めるリスクと責任を押しつけ、守ってもらった首相の責任は決定的だ。

 少なくとも、妻に聞いてみたがそんなことは言っていないとのこと、それは籠池氏の言葉だ、などの言い訳はもう通用しない。首相の家庭内の会話などどうでもいい。まず昭恵氏本人に確認してみる必要がある。

(社会新報2018年3月28日号・主張より)


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