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2018春闘 「働き方改革」含め全社会的視野で

 安倍首相が経済財政諮問会議の席上、労使に対して「3%の賃上げ」を要請して以降、今年の賃上げへの注目が高まっている。首相は賃上げに積極的な企業には「法人税負担を25%まで引き下げる」、消極的な企業には「研究開発減税など優遇税制の適用を停止する」と踏み込んだ。経団連も、第2次安倍政権が発足した12年以降、26%・124兆円も増えた内部留保への社会的批判の高まりを意識し、「利益剰余金を過剰に増やすようなこと」は許されないとの見解を示すに至っている。「5年連続ベア」の条件は整っているのか。

 実は、それは簡単な道筋ではない。14春闘から「ベアゼロ春闘」を脱したものの、直近の最高値の15春闘を見ても、賃上げ率から定期昇給分を引いたベア率は、個別賃金要求方式をとる連合の主要産別で0・65%、平均賃金要求方式をとる組合で0・5%。先ごろ「2年ぶりの実質賃金低下」が報道されたが、そもそも12年以降の実質賃金低下傾向は先進国で唯一、続いていると見るべきだ。「官製春闘」と斜に構えていては、定昇分2%に加えての「ベア1%」獲得の壁を越えるのは難しいと言わざるを得ない。連合春闘全体の盛り上げによる「底上げ」が求められているゆえんだ。

 今春闘には政府の掲げる「働き方改革」や「人づくり革命」が大きく影を落としている。経営側が「働き方改革」を結局は個別の職場における生産性向上(合理化)と読み換える傾向は否めないのに加え、連合がこの間強調してきた「サプライチェーン、バリューチェーン全体で生みだした付加価値の適正配分」も、「サプライチェーンを含めた業界全体の効率化」の必要性と解釈し、中小下請け企業への圧力を強めようとしているように思える。

 また、「働き方改革」の看板の一つとしてアピールされながら、まだ国会提出されていない関連法案の要綱にその定義を見ることはできない「同一労働同一賃金」は、16年末に出された「同一労働同一賃金ガイドライン」を見る限り、格差の合法化・固定化になりかねないことが危惧される。

 「格差是正、底上げ・底支え」を掲げて闘われる今春闘は必然的に、この「働き方改革」への取り組みと並行して進められざるを得ない。裁量労働制で働く労働者と一般労働者の労働時間のでたらめの比較データ問題は、まさにこの課題に火をつけた格好だ。国会内外の闘いを結合しよう。

(社会新報2018年2月28日号・主張より)


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