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NPR見直し 「持ち込み」容認につながるおそれ

 トランプ米政権が2日、核兵器の近代化と役割拡大を柱とする新たな「核態勢見直し(NPR)」を発表すると、河野外相は「高く評価する」との談話を発表し、5日の国会答弁でも「同盟国に対して核の抑止力を明確にコミットしている。高く評価しない理由はない」とダメ押しした。これに対し被団協の木戸季市事務局長は同日、「私は耳を疑った。これが唯一の戦争被爆国の外務大臣の言葉と信じられるか」「日本の外務大臣として恥ずかしい限り」とする抗議談話を発表した。あまりに当然の反応だ。私たちはさらに、新NPRが日本の政策とどう関わるのかに対して、注意を向けなければならない。

 新NPRは、戦略原潜に搭載する潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)用の小型核弾頭の開発を進めるとするとともに、水上艦搭載用の新型核巡航ミサイルも開発するとした。米国は91年、水上艦・攻撃原潜からの核撤去を宣言し、海上発射型の核付きトマホーク巡航ミサイルの弾頭も解体された。今度のNPRはこの流れを反転させるものだ。

 ここで危惧されるのは、核を搭載した原潜の日本母港化(配備)だ。「非核三原則」のうちの「持ち込ませず」を放棄し、(米国の解釈では事前協議の対象となるイントロダクションには含まれない)一時寄港・通過を認めるべきだという三原則見直し論は、この間ずっとくすぶっているが、これが現実の問題となるおそれがある。核兵器にほかならないSLBMは撤去されずに残っているし、核付きトマホークが事実上、復活する可能性がある。

 さらに新NPRは、「核以外の兵器で米国や同盟国が重大な戦略的攻撃を受けた場合でも、(核を使用する)『極限的な状況』に該当する場合はあり得る」として、核以外の攻撃に対する核報復、すなわち核先制使用のオプションを明確にした。外相は6日の答弁で「前回2010年のNPRでも米国は先制不使用をうたっておらず、米国の方針が転換したとは考えていない」と述べたが、オバマ前政権が先制不使用政策の採用を検討した際、これに一貫して反対したのはほかならぬ日本だ。米国は先制不使用をとらない理由に日本の独自核武装のおそれを挙げ、日本は、世界で唯一米国にだけは核を保有し続けてほしいと言うのと同じ態度をとる。これでいいのか。核先制使用反対と「持ち込ませず」の堅持・徹底は譲ることのできない一線だ。

(社会新報2018年2月14日号・主張より)


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